それでも彼女にとってインスタグラムは大事な場であり、《相手の身になって考え、気持ちを整理して言語化し、アウトプットするという一連の作業が、私自身の癒しと勉強の時間になっている》として、《私のインスタがだれかの心を軽くし、共感を呼び、共鳴する場になっているとしたら、こんなにうれしいことはありません》と、最新の著書『今のための今まで』に書いている。
避けていたSNSを始めた理由
飯島自身、私生活では2017年に父、2021年に母をあいついで亡くし、しばらくふさぎこむ日々が続き、「人生なんてどうでもいい」とさえ思っていた時期もあったようだ。父が病気とわかった2013年頃より10年近く仕事を大幅にセーブして両親の面倒を見ていたというだけに、その喪失感は想像してあまりある。
それでも、ある友人が「そろそろ外に目を向けてみたら」と言ってくれたのを機に、晴れない思いを一度断ち切るため、あえて苦手なものをやってみようと思い立つ。そこで飯島の頭に浮かんだのが、両親がいたときは自分の発言のせいで迷惑がかかってはいけないと慮って避けてきたSNSだった。こうしていざインスタグラムを始めたところ、《皆さんがあたたかいメッセージをくれて。それを読んだり、皆さんからの相談を一緒になって考えているうちに、私も元気になっていきました》という(『reShine』2025冬号)。
芸能界に本格復帰、初の時代劇に挑戦
そうやってSNSで飯島もまた精神的に支えられながら、それまでセーブしてきた芸能活動にもここ数年で本格的に復帰しつつある。#1でとりあげた『べらぼう』は意外にも彼女にとって初の時代劇だという。50代後半にして新たな挑戦となる。
同作で演じる女将のふじは、当初は養子である蔦重に冷淡なようにも感じられたが、回を追うにつれ、じつは若い彼を応援していることがあきらかになってきた。こうして見ると、これまで飯島が演じてきた役のなかでもふじは、“アネゴ系”だという素の彼女に一番近いのかもしれない。

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