1980年代ハリウッドの特殊造形師と現代ロンドンのCGクリエイター。映画の特殊効果に魅せられた二人の女性を通して創作者の情熱と苦悩をリアルかつ力強く描いた、深緑野分さんによる直木賞候補作『スタッフロール』。

 その文庫化を記念した深緑さんによる白組インタビュー企画、今度はエフェクトアーティスト / コンポジターの野島達司さんにお話を伺いました。『ゴジラ-1.0』での海のCG表現が世界的に評価された弱冠26歳のクリエイターは、いかにその才能を育み、何を見据えているのか。必読のインタビューを前後編でお送りします。(後編は3/28公開予定)

野島達司さん(左)と深緑野分さん

中1からコンピュータで合成を

深緑:野島さんは高校生の時ぐらいからCG作品を作っていたとか。

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野島:どこまでをCGというか分からないですけど、2D的な合成は中1から、3Dっぽいやつは高校生からやっていました。

深緑:2Dというのは手描きで?

野島:撮ってきた映像に、“爆発”の2Dの実写素材を2次元的に合成した感じです。

深緑:昔からコンポジットというか、合成が好きだったんですか?

野島:そっちのほうが入りやすかったんです。3Dって根本を勉強して、ソフトを勉強して……って作るまでが長いじゃないですか。でも撮ってきた映像に爆発の素材を持ってきて合成するだけなら、そんなに難しくない。素材もフリーのものが色々あるし。