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深緑:序盤で、ゴジラが主人公の敷島たちの乗った船を追って泳いでいる時に、ゴジラの腰のあたりの海面がくぼむシーン。あれに私、素朴に感激して。あそこまで細かくてリアルな表現って見ないなと思って。
野島:実際、体の下にあれだけの水がある状態でシミュレーションすると、ああなるんですよ。僕もあれを見た時「おおー」ってなりました。シミュレーションは自動なので(笑)。
アカデミー賞受賞の仕事にダメ出し
深緑:ゴジラの口の中に機雷が入っている様子がアップになる場面があるじゃないですか。機雷がくるくる回って、しぶきが上がっているところ。あそこもリアルで凄いと思ったんですけど、コンポジットで調整しているとかじゃなくて、機雷もアニメーションでつけているんですか?
野島:はい、2D的な処理はないです。でも僕、あのシーンはヤバいと思っていて……。
深緑:え⁉ どこが駄目なんですか?
野島:なんかしぶきが小麦粉飛ばしているみたいに粉っぽくなっちゃって。ゴジラの歯茎の下とか、雪がたまっているみたいになっちゃってるんですよ。やっている時は「もうしょうがない。駄目だ、次、次」みたいな感じでした。でも海の表面とかも細かすぎたり……。低周波に高周波がちょっと乗っかっているというのが海の表現の基本なんですが「低周波が少ねえ」みたいな。
深緑:素人目には全然わからないです……。でも、そんな思いで切り上げたカットがたくさんありますよね。
野島:ほぼ全部それです(笑)。