〈あらすじ〉

 サウスカロライナ州の高校3年生リリアン(タリア・ライダー)は、修学旅行でワシントンD.C.を訪れる。その夜、恋人や女友達らと入ったカラオケバーで、陰謀論に取り憑かれた若い男による銃乱射事件が発生。その場に居合わせたパンクファッションの青年ケイレブ(アール・ケイヴ)に導かれ、リリアンはトイレの“秘密の扉”から地下通路を抜けて脱出に成功。そして、彼の仲間のアーティビストたちやエドガー・アラン・ポーを愛するネオナチの中年男性、エレクトロ音楽好きのイスラム教徒らとの出会いを重ねていく。

〈解説〉

 主人公の視点を通して、アメリカのリアルを映し出すロードムービー。ニューヨークのインディペンデント映画シーンを撮影監督として支えてきた、ショーン・プライス・ウィリアムズの長編監督デビュー作。104分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆いささか強引な展開だけれど、10代の女子と混沌とした思いを活写。タバコ、雑学、性……。やや冗長ながら新味は、あり。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★☆☆☆70年代実験映画を思わせるが、鮮度も精度も不満。ロードムービー特有の弾力がなく、「いやなアメリカ」の描写も陳腐。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★☆☆☆若い女性ならではの、特別な自分を楽しみたい欲望の物語。きっかけが銃撃戦だろうが、自分探しに夢中なオメデタさ。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆白日夢的な風刺寓話で、サイケデリアとアナーキズムが横溢する。いかにもX世代の監督が撮ったZ世代映画との感も。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆主演女優と俳優陣の魅力に惹き込まれ、シュールとリアリズムのロードトリップは鉤十字の布団に包まる不思議な気分に。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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配給:アルバトロス・フィルム
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スイート・イースト 不思議の国のリリアン(米)
3月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
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