自らを「無加工女装おじさん」と呼び、SNSでメイクや女装について発信している女装家のりんりんさん(51)。主に女性層から支持を集め、TikTokフォロワー数は4万6000人を誇る。

 りんりんさんはファッションやメイクをするうえで、どんな部分を意識しているのか。なぜ「無加工」にこだわってSNSで発信しているのか。話を聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く)

女装家のりんりんさん(51) ©深野未季/文藝春秋

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ゴスロリとは違う…りんりんさんが着る“地雷服”の特徴

――りんりんさんは当初、今とはかなり違うテイストの格好をされていたんですよね。

りんりんさん(以下、りんりん) そうですね。妻が着ていたような服を買ったりしてもっとカジュアルな感じで、今みたいな地雷服は着てなかったです。

――今日のファッションは、地雷服というんですね。

りんりん よく「ゴスロリですか?」と聞かれることもあるんですけど、ゴスロリとは違ってもっと軽く着られるというか…そういう服装が地雷服ですかね。今日もジャージでサブカル地雷っぽい感じです。

 一般的に地雷服と呼ばれているのは、黒とピンクがベースになってる服が多い。たとえば、くすんだピンクのブラウスに大きな黒いリボンとかレースがついてて、ひらひらしてる襟が印象的なイメージです。

リボンやレースがついているのも地雷服の特徴だという(写真=本人提供)

地雷服を着るようになった経緯

――現在のファッションスタイルに至るまではどんな経緯が?

りんりん ある時、Twitter(現:X)を見ていたら、ものすごく可愛い女装の人を発見したんです。しかも、その子が新宿2丁目のミックスバー(女装家やニューハーフなど、多様な人が集まるバー)で働いているのも知って。

 それまで2丁目に行ったことがなかったから少し不安でしたけど、実際に会ってみたかったので、勇気を出してお店へ行ってみました。そしたら、その子は男性じゃなく女性だったんです。

 

――実際に会うまでは、女装してる男性だと思ってたんですね。

りんりん そこは女装さんが多く集まるミックスバーなので、その可愛い子もてっきり男性かと思ってました(笑)。

 その子はコスメとメイクの知識がすごかったから、教えてもらうために、そのバーにちょくちょく通うようになって。

 あるとき、その子が地雷服を着ていたんです。当時、地雷という言葉は知らなかったけど、その服装を見たときに「可愛い!」と思って、ネットで探してすぐに買って。そこからボクも地雷服を着るようになりました。