(2)「“絶対権力者”はもういないのになぜ?」という不信感

 ふたつめは、「もうジャニーさんはいないのになぜ?」という不信感が拭えないこと。

 故ジャニー喜多川氏の存命中、「ジャニーさんの決めたこと」は絶対でした。デビューはおろか、グループの結成や解体、オーディションの合否も“絶対権力者”である彼の胸ひとつに依るところが大きく、「一度不合格になったけど、たまたまジャニーさんの目に留まって合格した」というタレントも少なくありません。

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「7 MEN 侍」。2名は「KEY TO LIT」、4名は「B&ZAI」として活動することとなった(ジュニア公式Xより)

 ファンの間にも「ジャニーさんが決めたのならしかたない」「どうにもならない」という諦めの空気が共有されていたことは否めません。誰もが虚しさを飼い慣らしていたのです。けれどもう、そのジャニー氏はいません。今回の件を誰に訴えたらいいかもわからず、ファンは苦い思いを噛みしめています。

「ジャニーさん由来」を無くしたいのでは?

 ジュニアの既存グループ「少年忍者」は、グループ自体の存続は決定したものの一部のメンバーが別グループへ移籍することとなりました。少年忍者ファンのBさんは、「新たな3グループのみを前面に出し、少年忍者ら他のジュニアたちは留め置かれている」と言います。

「解体された3グループも少年忍者も、ジャニーさんが作ったグループで、ジャニーズ時代から活躍していました。なので、マネジメントがSTARTOになったこのタイミングで、ジャニーさんの存在を消したり弱めたりしたいんだなと思いました。 “ジャニーさん由来”と言われそうなグループを無くしたいのだなと。

 いっぽうで『キテレツ』とか、これまでのジャニーズグループにも見られるようなトンチキなネーミングをしてみせて『おもしろいでしょ? ジャニーイズムは変わってないよ』とでもいうかのような感じが本当に嫌です」(Bさん)

新グループの「KEY TO LIT」(ジュニアオフィシャルサイトより)

 ジャニー氏の性加害問題を受け、2023年10月17日付で「ジャニーズ」はその看板を下ろしました。東山紀之社長は「故・喜多川氏と完全に決別する決意を示すため」として、社名を「SMILE-UP.」に変更。タレントのマネジメントをSTARTO社が担うことになりました。

SMILE-UP.代表取締役社長の東山紀之氏 ©時事通信社

 こうした経緯から、今回のジュニア解体には、ジャニー氏の気配を消すという意味もあったと考えられます。それにもかかわらず「なんちゃってジャニーさん」とも思しき名付けに踏み切った理由はなんでしょう。どこか足元のぶれた事務所の采配に怒りを覚えるファンも多いようです。