(1)“解体なしのデビュー”を奪われたことへの拒否感

 ひとつには、「ここ最近、人気グループは解体なくデビューに至るケースが通例となっていた」ことが挙げられます。

 Snow Man、SixTONES(ともに2020年デビュー、以下同)、なにわ男子(2021年)、Travis Japan(2022年)、Aぇ!group(2024年)らはジュニア時代に結成され、解体されることなくデビューを迎えました。この中でデビューまでの期間が最も長かったのは2012年結成のSnow Man。最短のなにわ男子でも3年間ジュニアで活動していました。

ADVERTISEMENT

2018年に結成され、3年後の2021年にデビューしたなにわ男子(なにわ男子公式Xより)

ファンにとって青天の霹靂だった

 そのため、ファンも「推しのグループはいつか必ずデビューする」と信じて応援することができました。

 HiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍は単独でコンサートツアーも開催し、その実力を見せつけてきました。2016年結成のHiHi Jetsをはじめ、3組とも5年以上、グループとして活動しています。彼らのファンにはすでに“H・A・F”(ハフ/HiHi Jets)、“美 少女”(美 少年)、“姫、痺愛”(ひめ/7 MEN 侍)というファンネームもあり、デビュー組と遜色ない応援体制が築かれていました。

2016年に結成された「HiHi Jets」。髙橋優斗(上段左)は2024年9月に退所している(ジュニア公式Xより)

 まだ結成して日が浅いとか、メンバーの適性を見ているといった“様子見”の段階でもない。そんなグループをバラバラにされるのは、ファンにとって青天の霹靂です。

 ここまで“デビューしぐさ”をさせておいてリセットされては、嘆きたくもなりましょう。

過去にもあった同様の事例

 ただ、往年のファンからすると「やはり歴史は繰り返されるのか」という思いもよぎりました。

「自分はHey! Say! JUMP、娘は美 少年のファン」だというAさんは、グループの解体に泣いて怒る娘を見て、「自身の古傷が疼いた」と言います。