(3)「タイプロ」で得た学びが活かされていない失望感
3つめは、せっかく得た学びが活かされていないことです。
「timelesz」(旧SexyZone)が大胆にも追加メンバーの公募オーディションを実施し、大きな反響を呼んだ “タイプロ”こと『timelesz project』。
timeleszの新メンバーの発表は、ジュニア解体発表の前日である2月15日に行われました。
事務所以外からもメンバーを公募するという前代未聞のオーディションに当初は賛否両論が渦巻いていました。しかし、ファンと候補者の思いを誠実に受け止めるtimeleszメンバーの姿勢や選考の過程がオープンにされたことなどから、結果的に多くの人が本オーディションを「すばらしいチャレンジだった」と評価しました。
時にファンから辛辣な言葉を浴び、苦渋の選択に涙しながらもすべてをつまびらかにしてみせたtimeleszの姿は、STARTO史に残る尊いものだったと思います。
さらに、timeleszの公式SNSのフォロワー数は日に日に増加し、YouTubeチャンネルの登録者数はついに100万人を突破(2025年3月12日時点)。グループの注目度を高めることに成功したといえるでしょう。
“解体”はブラックボックスの中で行われた
この学ぶべき例を間近で見ながら、ジュニアの解体は徹底したブラックボックスの中で行われました。なかでもファンを失望させたのは、この解体にそれぞれのジュニアの意思が反映されていなかったのではないか――少なくとも、ファンの目にはそう見えた、ということでした。
もともと彼らはファンに向かって異口同音に、「このメンバーで絶対デビューする」と宣言していたからです。
新グループの結成が発表される直前、ジュニアのYouTubeチャンネル「ジュニアCHANNEL」が「リニューアル」という名目で休止しました。その説明をジュニアたちに動画上でさせたこともまた、ファンが憤りを隠せないポイントだったといえます。
今であれば“解体”に伴うものだったと理解できますが、当時は事務所からの正式な発表がないまま、真偽不明の噂だけがネット上で飛び交っていました。
理由が判然としない中で突然休止を知らされ、ジュニアたちが深く頭を下げている……。その光景を見た多くのファンは凍り付きました。

