売春女性に“拠点”を提供し、そのおこぼれにあずかろうとする南田の態度は変わらず、再びハーレム生活を送ろうとした。だが、その女性とトラブルになり、「じゃあ、出て行く」という女性に暴力を振るい、警察に駆け込まれないように付きまとうようになった。そんな生活に嫌気がさした女性は、南田が寝ている隙に警察に駆け込んだのだ。
そこからすべてが発覚し、南田は女性に対する傷害容疑で逮捕され、さらにA子さんに対する殺人容疑でも再逮捕された。
「殺そうと思って殺したんじゃない。自分はこめかみを2発殴り、腹を1回踏んだだけ。彼女は『眠い』と言って、自分でベッドに横になった。どうして司法解剖で、こんな暴行の跡があったといわれるのか、自分にはさっぱり分からない。自分の行為は傷害致死罪にとどまるため、すでに時効が成立している」
「骨折20カ所、内臓破裂」の事実をどう思う?
南田は見苦しいまでに言い訳を重ねた。だが、裁判員や裁判官は次々と鋭い質問を浴びせた。
裁判員1番:傷害事件についてですが、大家に聞かれたくないと言うなら、なぜ暴力を振るったのか?
南田:それはついカッとなって…。
裁判員3番:殺人事件についてですが、ホテルの向かいの客が午後11時ごろに「キャーッ、助けて!」という声を聞いている。それについてどう思うか?
南田:それは記憶にないです。
裁判員5番:骨折20カ所、内臓破裂、それも複数カ所、頭にも6~7カ所、これだけ外傷がある事実をどう思うか?
南田:少なくとも私が見たときは傷がなかったので分かりません。
左陪審裁判官:腹を3~4秒踏んだ行為で死んだと思いましたか?
南田:はい、それでパニックになりました。
右陪審裁判官:救急車を呼ばず、マクドナルドに行って、戻ってきてから知人に電話している。なぜそんな行動を取ったのか?
南田:そこんとこは頭真っ白になっていますので…。すみません。