野球コラムの書き方を楽しく学ぶ「文春野球学校」のメンバーが、ほとばしる野球愛で執筆した「偏愛選手名鑑」。通常の野球名鑑には載っていない情報と情熱をお楽しみください!
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[はじめに]
昨季から続く新庄丸の大航海。文春野球学校の(初)老JAPANが追いかけます。我ら3名、乗り込んだのは盥か筏か。大波小波乗り越えて、時には難破も覚悟して、力を合わせて進みます。どんぶらこっこどんぶらこ。さあ楽しみましょう、この旅を。目指すはひとつ、その場所の名は……。パ・リーグ王にオレはなる!
(ファイターズ執筆チーム監督:P。)
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【監督】
1 新庄 剛志 (しんじょう つよし) 1972年1月28日生まれ
今年も漕ぎ出す大海原へ。掴み損ねた優勝ペナント、今度は必ずその腕に。地図の用意は整った。大海原から着岸、上陸。荒波覚悟、船酔い上等。共に乗り込む選手たち。ついて行きます、最後まで。新庄丸は止まらない。 (P)
【投手】
12 矢澤 宏太 (やざわ こうた) 2000年8月2日生まれ
二刀流3年目。昨年は投手として初勝利を挙げたが、今季は「外野手でヒット100本」が目標だそう。激しい定位置争いに割って入るぞ! K. Yazawaのバットに注目だ。でも投手も終わらない〜、Ha〜Ha! (P)
13 生田目 翼 (なばため つばさ) 1995年2月19日生まれ
過去通算登板15試合だったが、昨季43試合と一気に飛躍。ピンチでの登板が多く、6年目にして度胸と投球内容がしっかり噛み合った。目標、力まず投げて一軍完走。吠えない翼が火消しする。でもその前に出火厳禁! (P)
14 加藤 貴之 (かとう たかゆき) 1992年6月3日生まれ
「ショートスターター」から「イニングイーター」へ。4年連続規定投球回到達し「打線と中継ぎ陣のおかげ」と感謝。初の2桁勝利には「でも貯金1(10勝9敗)」と自戒。全身脱毛に通い始めた。もう一皮むける。 (其板)
16 達 孝太 (たつ こうた) 2004年3月27日生まれ
オフに約5万ドルの経費をかけて米国でトレーニングを実施。菊池雄星選手(エンゼルス)と食事を共にし、おなかも知識も満タンで帰国した。昨季のプロ1勝から15勝へ積み上げる。予告、今年達孝太は全国区になる! (P)
17 伊藤 大海 (いとう ひろみ) 1997年8月31日生まれ
威風堂々エースの風格。新球種・キックチェンジを武器に、獲れるタイトルは全部いただく。趣味の釣りでは大物を次々ゲット。リーグ優勝というビッグな獲物も釣り上げる。大漁旗を揚げろ! 喝采の準備はできている。 (P)
18 山﨑 福也 (やまさき さちや) 1992年9月9日生まれ
移籍1年目は初の規定投球回到達と2桁勝利。難病を克服した左腕は、同じ病の人たちに「投球回×1万円」を寄付する。今季も目一杯腕を振るだろう。新しいグラブには縁の糸で繋がれた北の大地を刺繍した。金の糸で。 (其板)
19 玉井 大翔 (たまい たいしょう) 1992年6月16日生まれ
3年連続50試合登板「火消しの玉ちゃん」が昨季は0に。ブルペンに貴方がいないと寂しいです。投球フォームを変え、腕の位置を少し下げていると聞きました。シン・火消しの玉ちゃん、エスコンで会いましょう。 (P)
20 上原 健太 (うえはら けんた) 1994年3月29日生まれ
気がつけばもう中堅選手。毎度オフのイベントでは満点の歌声を披露し観客の耳を喜ばせているが、野球で楽しませてくれることにも期待したい。崖っぷちじゃない。実力開花まであと一歩なのだ。渡れ、栄光の架け橋を! (P)
22 杉浦 稔大 (すぎうら としひろ) 1992年2月25日生まれ
昨季は途中離脱があったが、セットアッパーとして防御率1.56と安定感を見せた。チーム道産子会の兄貴の素顔は“うんちくニキ”。どんな場面の登板でも、豊富な知識で切り抜ける。頼りにしてます、4児のパパ。 (P)
24 金村 尚真 (かねむら しょうま) 2000年8月29日生まれ
今年は金村が投手陣を牽引するぞ! ストライク率などで伊藤大海並みの安定感を示したデータと、おっかない宮西パイセンを「尚ちゃん」と呼べる強心臓ぶりを新庄監督は見逃さない。かくしてサプライズな開幕投手に。 (タカ)
25 宮西 尚生 (みやにし なおき) 1985年6月2日生まれ
新たに手にした球種チェンジアップで「引退」の2文字を蹴散らした。“愉しむ”ことを覚えたベテランに怖いものなし。厄も逃げ出す(?)不惑の今季、900試合登板は射程圏内。直往邁進。鉄人左腕が航路を照らす。 (P)
26 田中 正義 (たなか せいぎ) 1994年7月19日生まれ
厳しかった2024年シーズン。SNSをやめた。猛暑の中ファームで暮らした。笑顔を封印し、辿り着いた20セーブ。苦しんだ分だけ得たものは大きい。我々は信じる、正義執行を。元祖「行くだけ!」が腕を振る。 (P)
28 河野 竜生 (かわの りゅうせい) 1998年5月30日生まれ
夫人の実家の一部屋を改装した筋トレ室は24時間使用可能で、人呼んで「竜の穴」。登板数を60に伸ばすため、昨季の最優秀中継ぎ投手は努力を惜しまない。勇者たちを背に乗せて、ピンクの竜はさらに高く昇る。 (其板)
29 細野 晴希 (ほその はるき) 2002年2月26日生まれ
ケガに泣いた1年目から巻き返しを誓う。伸びしろ大の左腕が掲げた目標15勝は、仲良しの達孝太と同じ。達からは栄養学のヒントをもらい、私服のコーディネートも達。曰く「後戻りできないところまできている」。 (P)
31 柴田 獅子 (しばた れお) 2006年4月18日生まれ
福岡大大濠高からドラフト1位
レオではなくハムに入団した獅子。入寮時に羽田空港で30分彷徨い、休日は自転車で出かけて50分迷子(?)に。九州一の二刀流。末は剛腕ピッチャー? それとも豪快スラッガー? ファンも迷いながら見守ります。 (P)
32 藤田 琉生 (ふじた りゅうせい) 2006年11月17日生まれ
東海大相模高からドラフト2位
身長198cm、体重96kgはすでにプロの体つき。実物を見たファンから「仕上がっている!」との声も。さらに入寮時に持参したぬいぐるみも大きかった。本人はクマだと言っていたが、それはどう見てもサルだよ。 (P)
34 堀 瑞輝 (ほり みずき) 1998年5月10日生まれ
痛めた左肩に不安はもうない。“師匠”宮西との合同自主トレでは大嫌いなランニングをたっぷり行い、再起の準備は整った。ただミット目がけて投げ込むだけ。2021年のホールド王、重い中継ぎ陣の扉をこじ開けろ。 (P)
35 浅利 太門 (あさり たもん) 2002年9月6日生まれ
明治大からドラフト3位
たもん、カモン、名門・明治。趣味は筋トレ、普段は寡黙。大学時代は主に救援、プロに入って目指すは球宴。大阪出身、太門はほんもん(本物)。まっすぐで取れる三振SHOW。視線を逸らすな、今開幕のベルが鳴る。 (P)
37 古林 睿煬 (ぐーりん・るぇやん) 2000年6月12日生まれ
台湾・統一から移籍
歓迎光臨! 監督が一目惚れした“火球男”が台湾からやってきた。絶殺球種(必殺技)のフォークも絶品。入団会見には最愛の祖母と登場した“国民金孫”。おばあちゃん、安心してください。我々が力一杯応援します。 (P)
40 福田 俊 (ふくだ すぐる) 1996年12月14日生まれ
どうした、防御率0.00の男。29試合登板から昨季はわずか2に。逆襲の1年へ向け、左打者へのインコースの精度を高める。淺間大基とはオフに滝行するなど仲良し。「サイズ感がいい」らしい、身長171cm。 (P)
41 福谷 浩司 (ふくたに こうじ) 1991年1月9日生まれ
中日から移籍
FA宣言し「入るイメージがまったくできなかった」球団へ。愛知県出身のベテランが北の大地で新境地を拓く。先発、中継ぎ、どこでもござれ。慶應大学理工学部卒の通称“教授”。福谷教授就任で北山亘基は退官へ? (P)
42 A.ザバラ (アニュラス・ザバラ) 1996年12月21日生まれ
ザバラが教えてくれたこと。鎌ケ谷スタジアムの電光掲示板は球速160km/hを超えると赤字で表示される。ファームで見られる超速球。贅沢だけれど、できれば一軍でお願いしたい。在籍2年目。見せてくれるよね? (P)
45 D.バーヘイゲン (ドリュー・バーヘイゲン) 1990年10月22日生まれ
昨季後半の復調は今季へ繋がっているはず。頭からのフル回転を期待。結婚時にレイエスがお立ち台で『I will always love you.』を歌い祝福した。私たちもalways love you〜♪ (P)
46 畔柳 亨丞 (くろやなぎ きょうすけ) 2003年5月3日生まれ
金子二軍投手コーチの指導のもとチェンジアップを習得するなど、変化球の幅を広げるべく鍛錬中。帽子が飛ぶほど力一杯ストレートを投げるスタイルから、一皮剥けた投球が見られそう。今年は巳年。新・畔柳に脱皮だ。 (P)
48 齋藤 友貴哉 (さいとう ゆきや) 1995年1月5日生まれ
強さと脆さが同居も、昨季終盤160km/hに迫る速球を武器にポテンシャルを示し、一躍新庄監督が今季抑えに指名。30歳節目の年は、誕生日に鎌ケ谷自主トレに一番乗りして意欲を漲らせた。あとは「行くだけ!」 (タカ)
51 石川 直也 (いしかわ なおや) 1996年7月11日生まれ
2024年は、かつての定位置9回に一度も登板することなく終わった。もがいた1年。投球フォームを変え、新たに球種も増やした。準備万端、結果を出すのみ。鋭いフォークで打者を斬る、チョクの復活が待ち遠しい。 (P)
52 池田 隆英 (いけだ たかひで) 1994年10月1日生まれ
試合終盤、球場に響き渡る咆哮は、勝利を告げるサイレンだ。吠える男は普段はニコニコ。オフには朝の情報番組で天気予報を届けた。くるくる巻き毛からサラサラ髪に変身の池ちゃん。高級ドライヤーを買ったらしい。 (P)
55 松浦 慶斗 (まつうら けいと) 2003年7月1日生まれ
旭川市育ち、最速155km/h左腕は、スター候補の伸び盛り。昨年初ホールドを挙げ、オフは河野竜生とともに汗を流したが、今季は先発で勝負をかける。大食漢の大きな体に夢と希望をたんと詰め込み、いざ進め! (P)
57 北山 亘基 (きたやま こうき) 1999年4月10日生まれ
槍投げも管理栄養士との個人契約も、全ては野球のため。上手くなるための考察と投資は惜しまない。“教授”の称号は福谷に譲り、今季は名前で呼ばれたい。そして「最亘基(さいこうき)!」は優勝までのとっておき。 (其板)
59 根本 悠楓 (ねもと はるか) 2003年3月31日生まれ
期待されながらも、近年厚い壁に跳ね返されている。エスコンでの自主トレでは、目標にする先輩・伊藤大海から助言を受けた。道産子左腕、22歳。皆が待ってる才能の開花。春はもうすぐ。ローテに食い込む活躍を。 (P)
62 清水 大暉 (しみず だいき) 2006年7月17日生まれ
前橋商業高からドラフト4位
ファイターズ190cm超投手軍、増員です。一日6合のご飯で作り上げた肉体は、群馬のからっ風も跳ね返す。座右の銘は松井秀喜氏も掲げた『不動心』。趣味の釣りで培った揺るがぬ心でチームのエースへ駆け上がれ! (P)
63 山城 航太郎 (やましろ こうたろう) 2002年9月3日生まれ
法政大からドラフト6位
大学時代、野手から投手にこっそり転向。目立った成績がなく、注目されたのはドラフト直前の公式戦初勝利。6人目に名前を呼ばれたが、実は指名は5人で終える予定だった。強運の持ち主。いいぞ、運も実力のうちだ。 (P)
67 山本 拓実 (やまもと たくみ) 2000年1月31日生まれ
回跨ぎも満塁もお任せを。頼れる小さな巨人は今季、球速160km/hと抑えの座を虎視眈々と狙う。野球はタフだがプライベートはスタミナ不足。「イニングは跨げるけど、ショッピングのお店は跨げない」と本人談。 (P)
93 松岡 洸希 (まつおか こうき) 2000年8月31日生まれ
今季支配下登録
夢に出た「一軍のマウンドに立つ丸坊主の自分」そのままに、頭を丸めて覚悟を決めた今春。自己最速154km/hを記録するなど急成長し、支配下選手に復帰した。さあ、行こう。先を行くミレニアム世代に追いつけ! (P)
94 福島 蓮 (ふくしま れん) 2003年4月25日生まれ
育成発一軍ローテーションの特急列車に乗り込んだ。金子二軍投手コーチ直伝のチェンジアップを磨き、今季は終点まで乗車する。細身の体に筋肉の鎧がつき、逞しさを増した。監督からもらったスーツが似合う日も近い。 (P)
95 柳川 大晟 (やながわ たいせい) 2003年8月21日生まれ
支配下登録1年目に8セーブをあげた強心臓の持ち主。今季もリリーフで大幅増の年俸を更に上積みへ。実家の焼肉屋の“無料食べ放題”で充電完了、放出の時を待つ。福島蓮とのツインタワーは、今年も見晴らし良好だ。 (P)