野球コラムの書き方を楽しく学ぶ「文春野球学校」のメンバーが、ほとばしる野球愛で執筆した「偏愛選手名鑑」。通常の野球名鑑には載っていない情報と情熱をお楽しみください!

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[はじめに]
お疲れ生です。パレードの日の天高い青空、街の一体感。最高でした。下剋上は優勝なのか? という議論は承知です。でも、ビールの本来の使い方を知ってしまった私たちは、悲願のリーグ奪首に向け、歴史に感謝し未来に期待し、今日の応援を頑張るのみ。「ずっと挑戦者」の精神を忘れずにいたい5人による偏愛寸評をどうぞ!
(ベイスターズ執筆チーム監督:ミリミリカッチ)

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【監督】

81  三浦 大輔  (みうら だいすけ)  1973年12月25日生まれ
ずっと横浜、でいてくれてありがとう。我らが永遠番長が、ついに日本一の監督になりました! 98年の権藤監督のポーズを真似たという胴上げ姿の写真が尊すぎて、日本一記念カレンダーの表紙が未だにめくれません。 (ミリ)

横浜駅西口  撮影:文春野球学校

【投手】

11  東 克樹  (あずま かつき)  1995年11月29日生まれ
制球力と強いハートでチームを勝利に導くハマの左腕エース。「3年やって本当のエース」と自ら課したそのハードル、果たして今はどのぐらい高く見えているだろうか。己を納得させるためには己に打ち克つのみ。 (丸尾)

12  竹田 祐  (たけだ ゆう)  1999年7月5日生まれ
三菱重工Westからドラフト1位
胆大心小な投球術は元プロアメフト選手の父親仕込み。アメフトといえば、かつてのチーム絶頂期に所属のマホームズ投手の息子が現役NFL選手として名を馳せている。即戦力先発&優勝請負人として否が応でも期待。 (タフ)

13  伊勢 大夢  (いせ ひろむ)  1998年3月7日生まれ
「先発でもやっちゃいますか!」ビールかけ中の発言が冗談ではなく本気だったことが分かった不意打ち大夢ちゃん。6年目にしてローテ争いに殴り込みをかける。個人的に打撃練習で見かけたスイングの鋭さも気になる。 (丸尾)

14  石田 健大  (いしだ けんた)  1993年3月1日生まれ
SNSもやらない無趣味な男は趣味を探すも「趣味がないのが趣味」と野球一本を決意した。過去3回開幕を務めるも、昨季はケガで悔しいプロ最少登板に。内心は「開幕投手が趣味なんじゃ」と気張っとる……じゃろう。 (千)

15  徳山 壮磨  (とくやま そうま)  1999年6月6日生まれ
昨季ついに一軍入り、7月に初勝利。入団直後からのイップスを克服したというニュースが話題に。9月に腰の手術を終え、オフはTVで食レポをしたり、〈顔そっくりコンビ〉の井上絢登選手とトークショーに出演した。 (ミリ)

16  大貫 晋一  (おおぬき しんいち)  1994年2月3日生まれ
入団以降6年連続先発稼働だが規定投球回は過去未達。社会人出身の川村丈夫、そして先代は住金鹿島のルーツを共にする加賀繁より受け継がれし『背番号16の系譜』は鉄の如く、しぶとく、打たれ強くが信条なのだ。 (タフ)

17  三嶋 一輝  (みしま かずき)  1990年5月7日生まれ
彼の一球一球はハマスタの鼓動だ。脈々と両腕を揺らし、右の掌から放たれた球はスーッと音を立てて宙を走る。不退転の決意なんかいらない。三嶋のハートはマウンドの真ん中にある。そして、僕らもみんな生きている。 (千)

18  小園 健太  (こぞの けんた)  2003年4月9日生まれ
ドラ1の期待を背負い、心と技を磨いてきた3年間。残されたパーツ「体」はひと回り大きくなり、先発争いに参戦。一軍でエースナンバーの躍動がそろそろ見たい……だからって監督(背番号81)に逆立ちさせるなよ。 (タフ)

19  山﨑 康晃  (やまさき やすあき)  1992年10月2日生まれ
今や11年目の先輩投手としてブルペンを明るく引っ張る存在に。昨季の日本シリーズ第6戦の9回、鳴り響くゾンビネイションを少しだけ期待してしまったけれど、お楽しみは今季のリーグ優勝の瞬間にとっておきます! (ミリ)

20  坂本 裕哉  (さかもと ゆうや)  1997年7月28日生まれ
昨年は3年ぶり勝利含むキャリアハイの躍動・CS以降は唯一の中継ぎ左腕として日本一にも貢献。新球スプリットチェンジを習得し右打者にも対応。ドッキリ番組が好きで、いつかあの無表情な伊勢にも仕掛けたいとか。 (タフ)

22  入江 大生  (いりえ たいせい)  1998年8月26日生まれ
牧選手との念願「ドラ1&2同期お立ち台」から3年。長いリハビリを経て今春いよいよ復活へ、との報道がファンを沸かせている。令和の横浜を代表する速球守護神と呼ばれる日がくるまであと少し? ロマンしかない! (ミリ)

24  吉野 光樹  (よしの てるき)  1998年7月19日生まれ
昨季勝った試合は全てビジター戦の外弁慶テルテル。今季はハマスタ初勝利でお立ち台に上がろう! ファンフェスで見せたスターマン着ぐるみ姿があまりに似合いすぎていたので、ぜひスタッフさんに金一封を贈りたい。 (丸尾)

30  篠木 健太郎  (しのぎ けんたろう)  2002年5月7日生まれ
法政大からドラフト2位
豪快なワインドアップの法政大の18番はプロで30番と怪物江川卓を彷彿とさせる。南場オーナーに「:DeNAの点点(コロン)が気になります」と直撃する度胸よし、感度よし、:Dをタテに見たような笑顔もよし。 (千)

34  松本 凌人  (まつもと りょうと)  2001年12月5日生まれ
開幕早々眩しい活躍をみせた昨季の新人達の中で、4月から7月に一軍10試合に登板、着実に経験を積んだ。松っちゃんといえば松本凌人投手と言われるよう、今季はもっとハマスタでサイド右腕の美フォームを見たい。 (ミリ)

36  森下 瑠大  (もりした りゅうだい)  2004年9月19日生まれ
オールドスタイル、風に靡く長めの襟足、そしてサウスポー。なんだか海を渡ったあの先生の面影が過る。本格始動となりそうな今年が楽しみ。松尾との高卒京都人バッテリーでハマスタを沸かせるその日が待ち遠しい。 (丸尾)

38  森 唯斗  (もり ゆいと)  1992年1月8日生まれ
移籍入団が決定直後から鳩サブレー大好き・入浴に3時間半……とイジられ続け、いまやお約束の金ネックレス着用姿でSNS情報発信。そういえば、早期から歓迎していたプロデューサーは一体どこにいっちゃたに? (タフ)

39  若松 尚輝  (わかまつ なおき)  2000年5月10日生まれ
四国・高知からドラフト4位
21歳で投手転向と遅咲きだって元気100倍。「ハマのアンパンマン」と人気者枠をゲットした。膨らんだ頬にはポテンシャルが満載。高回転のボールで一軍もハマスタグルメもガッチリ射程圏内だ。欲張っていこう。 (千)

40  松本 隆之介  (まつもと りゅうのすけ)  2002年7月31日生まれ
2022年末に横須賀に寄ったとき、(今思えば5カ月間だけのレアな)背番号040で黙々と練習する姿を間近で見たので、昨季10月のプロ入り初一軍先発登板は嬉しかったです。5年目の今季は通年一軍で活躍を! (ミリ)

41  佐々木 千隼  (ささき ちはや)  1994年6月8日生まれ
「FLASH」の2番が聴こえて来たら、千隼の時間が始まる。静かな表情の奥にゆらめくのは蒼い炎と白いロジンの煙。唯一無二のスライダーは初見殺しの魔球。試合中はポーカーフェイスだが情に厚く涙もろい一面も。 (丸尾)

42  A.ジャクソン  (アンドレ・ジャクソン)  1996年5月1日生まれ
最初に覚えた日本語は「オサキデ~ス」で投球回数は規定ジャストの143。残業嫌い? の仕事師が、ポストシーズンでエースになった。しなやかに投げる背番号42のいる景色、ベースボールの原風景がそこにある。 (千)

45  森原 康平  (もりはら こうへい)  1991年12月26日生まれ
今でも瞼に残っている、日本一を決め歓喜するマウンド上の姿。微笑を纏う如き冷静な投球スタイルは、C.ロナウドも採用したピラティスが基の自主トレの賜物。最終回、マウンドの中心から勝利の熱波を送り込め。 (タフ)

46  坂口 翔颯  (さかぐち かすが)  2002年9月12日生まれ
國學院大からドラフト6位
東都リーグ投手タイトル選出経験ありの実力派。肘の状態を鑑みて、入団直後にTJ手術を受けた。携えたグラブには「お陰様で」の刺繍が光る。その気持ちさえあれば大丈夫。TJブラザーズの先輩達も見守ってるぞ。 (丸尾)

48  京山 将弥  (きょうやま まさや)  1998年7月4日生まれ
近江ブルーのビジユニでイップスから帰還し、救援転向で仲間たちの強さと優しさを知った。今季目標は30登板と、謙虚なマイペースが彼の戦法。ブルペンは今日も晴天なり。勝っても負けてもそこにヒーローがいる。 (千)

52  浜地 真澄  (はまち ますみ)  1998年5月25日生まれ
阪神から現役ドラフトで移籍
野球学校在籍のとびたつばささんの取材(昨年5月)によると、ご実家の酒造は博多駅から西へ、電車とバスで約80分。甘酒スイーツや地ビールのイートインもあるそうです。福岡遠征観戦のときに立ち寄ってみよう! (ミリ)

53  颯(中川 颯)  (はやて(なかがわ はやて))  1998年10月10日生まれ
天晴れな再起を成し遂げたハマのサブマリン。一番の魅力は腹を括った時のマウンド度胸。手先が器用で、趣味のレザークラフトは職人並みのクオリティ。辻堂の蕎麦店「波利満屋」には通称・颯ミュージアムがある。 (丸尾)

54  石田 裕太郎  (いしだ ゆうたろう)  2002年1月22日生まれ
横浜の名物アナも「可愛い」とメロメロ。だが一軍初登板時は「自分が一番、主人公という感覚でいられた」、マダックスも「完全に狙っていた」と投手らしいしたたかさも。やっぱりただの熱烈DeNAファンじゃない。 (鯖子)

59  平良 拳太郎  (たいら けんたろう)  1995年7月12日生まれ
手術組「TJブラザーズ」の一員が復帰。先発4登板に終わった昨年は層が厚く、当面目標は先発ローテ入り。昨年7月は熱投113球が実り、プロ初の完投完封。監督が現役150勝時の如く右拳を天へ突き上げた。 (タフ)

62  R.ウィック  (ローワン・ウィック)  1992年11月9日生まれ
「いつもは仏の三浦監督が鬼の形相でマウンドへ向かい交代を告げた外国人投手」として年末年始のTVに映りまくった中継ぎ。あの試合は8月27日、翌9月は11試合に登板し防御率0.00。今季も頼れる熱い男さ。 (ミリ)

64  中川 虎大  (なかがわ こお)  1999年10月2日生まれ
筒香や東妻純と同じ、剛力帝国紀州生まれのリリーバー。昨年キャリアハイの救援31登板・プロ初勝利(1勝3敗)が認められ、契約更改時の倍増提示に、自身最速161㎞/hで一発サイン(速度は推定)。 (タフ)

65  宮城 滝太  (みやぎ だいた)  2000年7月15日生まれ
新背番号で迎えた昨季、一軍登板は1試合のみ。育成、BCリーグ派遣を経て支配下4年目。今季こそ、の奮起を一軍奪首へつなげて欲しい! 昨季ファンフェスでは打席モノマネ(関根とオースティン)を披露し大ウケ。 (ミリ)

68  岩田 将貴  (いわた まさき)  1998年6月16日生まれ
阪神から移籍
球界屈指のウェイ系陽キャ軍団に最初は戸惑ったようだけど、だんだん馴染めてきたみたい。その球は名伯楽・入来コーチも太鼓判。こっちのガンちゃんはちょっぴり控え目、ハマのガンちゃん、以後お見知りおきを! (鯖子)

69  A.ケイ  (アンソニー・ケイ)  1995年3月21日生まれ
日シリでは球団史上初の外国人勝利投手となり栄えある記録を残したAK。実はシーズン中も海を渡った元巨人・菅野投手との投げ合いを制していたりと、大舞台でさらにパワーアップするタイプなのかもしれない。 (丸尾)

91  庄司 陽斗  (しょうじ はると)  2001年5月31日生まれ
今季支配下登録
待望の支配下登録に「普通だろ」と今永(カブス)からはクールなエール。ファーム日本一に導いた育成4位ルーキーの下剋上、普通にしては半端ない。「ハマのウッディ」が主演のVストーリー2、舞台は今季、横浜へ。 (千)

92  堀岡 隼人  (ほりおか はやと)  1998年9月11日生まれ
CSで岡本(巨人)を抑えて咆えた。あの咆哮が日本一への号砲だった。他球団での戦力外を経て出会った秦野のHAYATOと戸塚のHAYATEは、ベイの中軸98年生まれ。あの秋の輝く星がふたりをここに導いた。 (千)

93  Y.ディアス  (ジョフレック・ディアス)  1999年6月10日生まれ
19歳で来日し苦節5年、昨年遂に支配下契約を果たしたベネズエラ出身左腕。ニホンゴも上手になり、兄貴分のエスコバーをも凌ぐほど生まれる名言の数々は球団公式発信『今日のディアス』で是非堪能を。 (タフ)

96  T.バウアー  (トレバー・バウアー)  1991年1月17日生まれ
メキシカンリーグ・レッドデビルズから復帰
忘れ物のペナントと沢村賞をその手に掴むため、King of Swordが電撃帰浜。ハマの投げる科学者・セカンドシーズンはどんな姿を見せてくれるのか。YouTubeの更新通知をONにしてその日を待つ。 (丸尾)

26年ぶりの日本シリーズ  撮影:千田一朗/文春野球学校