「逸見! 昨日出てたな!」逸見家がテレビに出演した翌日、上級生が絡んできて…

――さきほど、小学校の高学年あたりでいじめられたと。

逸見 萩本(欽一)さんが司会をなさっていた『オールスター家族対抗歌合戦』(1972~1986年)に、逸見家は何度か出ているんです。フジテレビの番組だったので、他の出演者との調整で局アナの家族が出るということも当時はありました。

 小学校の頃は、それがイヤでイヤで。ある日父から急に言われるんですよ。「◯月◯日、みんなで家族対抗歌合戦に出るから」って。当然父の言うことは絶対だったので、「ノー」という選択肢はなく。オンエアが日曜の夜で、人気番組だったので、みんなが見るわけです。そして、月曜の朝に学校に行くと、「逸見! 昨日出てたな!」と。

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――歌合戦の延長戦が。

逸見 上級生たちが、逸見家が歌った曲を合唱しながら寄って来るんですよ。「♪めだか~の兄妹が~か~わ~のなか~♪」とか、大声で。「昨日、『めだかの兄妹』歌ってたな」とか「オヤジと一緒に『戦争を知らない子供たち』歌ってんじゃねーよ!」とか絡まれるのが、これまた本当にイヤで。

 

 あまりにもイヤな記憶って、忘れないんですよ。なにを歌ったか、いまだに覚えてます。子どもには辛かったけど、父にとっては大切な仕事ですし、子どもが出たくないという声を聞いてくれることはなかったですね。カラオケも嫌いじゃなかったようなので本人は楽しい部分もあったのかもしれないですね(笑)。

中学で不良たちに、何の理由もなくボコボコにされたことも…

――親が親だけに目立ってしまうと。

逸見 中学に上がると、今度は隣の中学から絡みに来るんです、ガラの悪い連中が(笑)。『ビー・バップ・ハイスクール』が人気だった時代ですね。

 放課後になると、全然知らないおっかない不良たちが校門の前で待ち構えているんですよ。ボンタンという太いズボンを穿いていたり、長いスカートに真っ赤なソックスのスケバンとか。で、「おい、スーパータイム! スーパータイムいんのかよ!」って大声で呼ばれるんです。

 その頃、父が『FNNスーパータイム』(フジテレビ・1984~1997年)のメインキャスターをやっていたので、からかわれて。何の理由もなくボコボコにされる、なんてこともありました。今だったらSNSで騒ぎになっているかもしれないですね(笑)。

撮影=釜谷洋史/文藝春秋

次の記事に続く 「高校でも『逸見政孝の息子』と呼ばれて…」「精神的にキツかった」15歳で高校中退→イギリス留学…逸見太郎(52)が語る、父親との“本当の親子関係”

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