そんなローラが芸能界に入ったのは16歳のときである。事務所にスカウトされ、モデルの仕事を始めた。やがてテレビに出るようになると、先述のとおり個性的なキャラクターで人気を集める。ただ、舌足らずなしゃべり方のせいもあってか、彼女の話すことは本気で受け取られないこともしばしばであった。じつは海外に住みたいとも早い時期から公言しているのだが、聞き手には冗談として受け流されたりした。

ローラ〔2011年撮影〕 ©文藝春秋

 ブレイク前夜のインタビューでローラは、《自分では、意外と物事をハッキリ考える人だと思っていて、つまり、これがよくない、だからこうなってた、だからこうした》と筋道立てて考えることができると強調する一方で、《でも、それを言葉で表現するのが下手というのがあるから》と、ややもどかしさも感じていることをうかがわせた(『サイゾー』2009年3月号)。しかし、彼女が自分の意志をしっかりと表明しながら筋を通してきたことは、その後の人生が証明している。

テレビの仕事を減らした理由

 もともとローラはデビュー当初、ひと月の半分ほどは仕事以外の自分のやりたいことに集中したいと事務所に伝え、実際にそうしていた。それが気づけば多忙をきわめ、疑問を覚えた彼女は、歌や英会話など将来のためになることを勉強をしたいと事務所の社長に申し出て、テレビの仕事を減らしていったという(『Numēro TOKYO』2016年10月号)。

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『THE ROLA!!』(2012年/講談社)

本格的にLAへ拠点を移す

 LAと日本のあいだを行き来するようになったのも、このころだった。LAには新しいことにチャレンジして頑張っている人がたくさんおり、強いエネルギーを感じたという。やがて自分ももっといろんな可能性にチャレンジしたいとの思いが募り、ついには本格的にLAへ拠点を移すことを決めた。2016年、ローラが26歳のときのことだ。この年12月には、出演したハリウッド映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』も公開されている。

 LAに拠点を移して2年ほど経ったころの次の発言を読むと、渡米を実行した彼女の並々ならぬ決意が伝わってくる。