結婚観と世代間ギャップ
――ロスジェネ世代の特徴として収入を貯蓄に回す人がすごく多いと。あと結婚について消極的な人が増えてきているという指摘もされているのですが、壇蜜さんがロスジェネの世代だということでご自身の結婚感が固まったところはありますか。
壇蜜 結婚して子どもを産み育てることに対してのハードルはかなり高いものだったと思います。今はたまたま子どもがいらない、子どもをこの時代に産むことの自信がないっていうふうにはっきり言えるパートナーを見つけて。だからそういう人を見つけられたのはとてもラッキーだった。
もし普通に子どもが欲しい、親に子どもを抱かせたい、仕事はちょっと控えてほしいみたいなことを言われてしまったら、やっぱりこの世代に生まれたからお互いにお互いの要求が増えてうまく行かないのかなっていう。そういう諦めもあったと思います。
――結婚というものに対する諦めを意識されたのっていつ頃が最初だったのですか。
壇蜜 20代に入ってから、やはりパートナーを支える自信みたいなものが自分の実力、成績の悪さだったり、就職に対する熱意だったりで、自分がとても無気力で無能な人間に見えたので。そこでパートナーを得るっていう行為は、とてもハードルが高かったんですね。だからそこで少し諦めが入りましたね。
老後の不安より身近な不安
――老後の不安という話も出てきていますが、老後というよりもっと近い将来の不安っていうのは感じていますか。
壇蜜 そうですね。近い将来の不安ですね。私の場合はとても健康でなんでも来いっていうバイタリティやエナジーは今少ない状態で、持病もあり、通院もしてっていう状況で。元気100%でなんでもこいっていう気持ちにはなれないので、老後のことよりも今を生きることの方が比重が重いですね。
写真=鈴木七絵/文藝春秋
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