東急、京王、京急、都営地下鉄、静岡鉄道など日本中で採用
東急電鉄や京王電鉄、JR東日本の通勤電車などに採用された「sustina S24」シリーズは、20m級の車体で側面の扉が4つ。JR東日本の地方幹線などに採用された「sustina S23」シリーズは、20m級の車体で側面の扉が3つ。京急電鉄、都営地下鉄浅草線、静岡鉄道などに採用された「sustina S13」シリーズは、18m級の車体で側面の扉が3つ。数字の十の位は車体の長さ、1の位は扉の数だ。
これらの基本パッケージを元に、各鉄道事業者向けにデザインが与えられ、カスタマイズされる。
ただし、総合車両製作所が製造するすべての車両がsustinaなわけではない。sustinaはいまのところ通勤電車向けのブランドだ。クルーズトレインの「TRAIN SUITE 四季島」(E001形)の中間車両、京成電鉄スカイライナー(AE形)、成田エクスプレス(E259系)も作っている。これら特急車両は言わば特注品といえる。通勤電車も鉄道会社からの求めに応じて在来工法を使うし、ステンレス以外の部材を使う場合もある。
総合車両製作所は2012年に「sustina」の商標登録を申請し2013年に登録された。sustinaの世界デビューは2012年、ドイツ・ベルリンで開催の世界最大の鉄道関係見本市「InnoTrans2012」だった。川崎重工車両カンパニー(現・川崎車両)も「InnoTrans2012」に出展しており、2012年に「efACE」を商標登録している。アルミ車体とステンレス車体の両方に対応し、先頭、妻面、側面、屋根、台枠をモジュール化して組み立てる。
日本車輌製造の新型である「N-QUALIS」は2022年に商標登録された。「N-QUALIS」はステンレス車体を採用し、車体をいくつかのブロックに分けて並行して製造する。通勤電車主体に製造しているけれども、2024年に特急電車用の構体を開発した。
実は、電車に乗っている時でも、車両メーカーブランドを確認する方法がある。運転席や隣の車両への通路がある壁の上の方には必ず車両の番号が掲出されており、その下に製造会社とブランドが表示されることがある。鉄道ファンが製作会社の思いを感じる場所でもある。



