社会には「障がいを持っている=かわいそう」というイメージがあるが…

――モデルとして意識されていることはありますか?

柊子 あくまで私自身が意識していることなのですが、ミニスカートやショートパンツなど、義足がしっかり見える格好をするなら、とことんかっこよくてきれいな歩き方をしたいと思っています。かっこいい義足を履いているんだから、私自身もかっこよくありたいじゃないですか。

――YouTubeで、今西さんが街中を歩く動画を拝見しましたが、すごくかっこよかったです。そこでは、これからは義足の人が街中を歩いているのが当たり前の光景になってほしい、ともおっしゃっていましたね。

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柊子 障がいのない人が街中を普通に歩いているのは、当たり前の光景すぎて誰も気に留めないですよね。それと同じように、障がいのある人が街中を歩いていても、特別意識しないような社会になったらいいなと思います。「いろんな人がいるのが当たり前だよね」って考えが一般的になればいいなと。

 それに、障がいがあるからといって、特別扱いしてほしいわけじゃないんです。「障がいを持っている=かわいそう」というイメージも、少しずつ変わっていくと嬉しいです。

 

義足をつけてからの方が圧倒的に楽しいし、見える世界も広がった

――今西さんは、周りの人が「義足をつけている私のことをかわいそうと思っているな」と感じることはありますか?

柊子 ありますね。でも何度もお話ししているように、私は足を切断して、義足をつけてからの方が圧倒的に楽しいですし、見える世界も広がりました。

 もちろん、障がいがあるゆえの大変さもありますが、障がいがない人だって、人それぞれ大変なことはあるはず。「障がいがあると大変」「だから障がい者はかわいそう」って、一括りにすることはできないなって思います。

――最後に、これからモデルとして、どんな挑戦をしていきたいか教えていただけますか。

柊子 模索中ではあるのですが……。1つ言えるのは、私は「義足モデル」として名を上げたいわけではないんですよね。人それぞれいろんな特徴があるように、義足はあくまで私の特徴の1つです。この特徴をすごく気に入ってはいますけど、「だから私は特別」と見られたいわけじゃない。

 そういった意味では、いつか日本中でよく見かけるようなアパレルブランドのモデルをやってみたいですね。たくさんの人がそのブランドの服を着るから、モデルさんも背が高い人もいれば、低い人もいる。痩せている人もいれば、ぽっちゃりな人もいますよね。その中に、私のような義足のモデルも違和感なく並べるようになれたら良いなと思います。

 

撮影=橋本篤/文藝春秋
取材協力=ココダイバーシティ・エンターテイメント(https://coco-de7.com/

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