ただ、天井の木目を見ていた

ただ、天井を見ていた。

あとは、何も知らない。横たわって天井を見ている私だけが、そこにいる。私の身体は、どこ? 私の身体、どこに行っちゃったんだろう。心もどこ? 心はもう、見つからない? なんで? 身体がとっても重たいの。ガチガチに硬直してる。私、どうなってるの? 怖い、怖い、怖いよー。恐怖で、身体がガクガクしてる。ガックンガックンって、震えが止まらない。思い出したくもない、実家の天井の木目。あの時の私は、自分の精神が崩壊しないよう、天井の木目を眺めていたのかもしれません。

なんで、「やめて!」って、叫べなかったんだろう。

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「ふざけんな!」って、すごめばよかった。オマエの頭、どーなってんの! 謝れ! 自分のしてること、おかしいと思わないか! 「頭おかしい」って、言ってやればよかった。

扉の鈴は捨てました。だってあれは、家に他の誰かがいるなら、効果があるものだから。2人しかいないのだから、意味がない。窓から逃げようとしたけれど、窓を開けたら格子がついているので出られない。でも、窓を開けていれば、「助けて!」って言うことはできるから、いつも窓を開けていました。

誰にも、「助けて」って言えなかった。変な天秤ばかり、頭の中をぐるぐるする。強姦なら一回で終わる。でも父親からの性的虐待は、終わらない。せめて、これをしているのが、血のつながりのない継父だったらって、なんて天秤? でも、実の父親だしって、沙織、オマエも頭おかしいぞ。

継母にも、ちくってやればよかった。あんたら2人、頭おかしいぞ!って。

誰かに打ち明けられていたら……。今になって思う。あの時の私は、精神科に入院するべきだった、と。

20代で死ぬことが、人生の目標になった

父親にいろいろされている時に、感情をなくそうと思った瞬間がありました。あっ、だから、私、どれが本当の自分か、わからなくなったんだ。

私の人生の目標は、20代で死ぬことなのだと、この時に決めました。