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53歳で重度のうつ病と診断、それでも離婚後に本格復帰
南が53歳の時、週刊誌にその事実がスクープされ、渡辺の「病気の妻を支える優しい夫」像は粉々に砕け散った。渡辺は2023年に21歳下の女性との再々婚を発表したが、一般人ということで相手は公表していない。
乳がんの克服に明るい兆しが見え始めていたが、今度は不眠や食欲不振などの心理的な不調に見舞われ、53歳で重度のうつ病と診断。それでも息子が留学中だったアメリカで語学学校に通いつつ転地療養を実践してどうにか持ち直した。
54歳の8月に渡辺とは離婚し、本格的に仕事にも復帰。57歳でアメリカのApple TV+のドラマ『PACHINKO』のオーディションでメインキャストを勝ち取り、バンド「Nicochans(ニコチャンズ)」でボーカルを務めるなど音楽活動も精力的に展開した。
58歳のときには懇意にしていた瀬戸内寂聴の強い勧めもあって12年ぶりのエッセイ『乙女オバさん』(22年/小学館)も上梓している。
自らを「オバさん」と言う南は、60歳にして初孫にも恵まれた。とはいえ「お婆ちゃん」と老け込むような歳でもない。人生の荒波を越え、酸いも甘いも噛みわけてきた彼女ならではのますますの活躍に期待したい。
