「24時間営業廃止」の意外な影響

 では、これらファミレスは24時間営業廃止によって業績に大きなマイナス影響があったのだろうか。

都内および近郊のすかいらーく系チェーンで、全日24時間営業をしているのは「ほぼゼロ」だ(4月12日時点、すかいらーくグループ公式HPより引用)

 そんなことはない。むしろそれぞれ、近年の決算では「過去最高の利益」を出している。

 それぞれに理由は異なるが、すかいらーくグループの中核を担う「ガスト」でいえば「ネコ型配膳ロボット」に代表されるDX化をうまく進めた。低価格メニューの拡充によって客足も増えている。ロイヤルホストは高価格だが品質にこだわるメニューを徹底し、根強いファンを獲得している。

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 ファミレスと牛丼チェーンでは運営モデルが異なるため単純な比較はできないが、まとめると「24時間営業」は業績を向上させるのに必ずしも必要ではないのだ。

 むしろ、人口減少かつ働き方改革も進む現代においては「短い時間で効率よく稼ぐ」モデルへの移行が急務になってきているといえる。すき家が(偶然とはいえ)「24時間営業廃止」を決めたのは、こうした大きな時代の流れにも呼応するわけだ。

 それどころか、すき家はもっとラディカルな形で24時間営業の廃止を進めるべきだと筆者は考えている。というのも、今回の営業時間短縮は不完全なものだからだ。