2/5ページ目
この記事を1ページ目から読む
牛丼チェーンで最初に24時間営業の店が現れたのは1960年、元祖は新橋の「なんどき屋」という店とされる。当時といえば、日本が高度成長期に突入する中で多くの集団就職の若者が都心にやってきたタイミング。そんな彼らの受け皿として24時間営業はぴったりだった。
しかし現状の日本は、都市部・地方部を問わず当時と正反対のことが起こっている。
人口減少に加え、コロナ禍以降、夜間の外出人口も減少。かつては若者が夜に集うこともあったが、今ではSNSを介したオンライン上のつながりが増大している。さらに「働き方改革」も重なり、夜遅くまで働く労働者の数も減っている。店側に目を向ければ「雇用の創出」どころか、働き手が足りない時代になってきた。
それでいて、光熱費や人件費だけはかかる――。全てにおいて「24時間営業」はデメリットが目立つ時代になってきたのだ。
24時間営業をやめても、利益は出る
こうした動きを敏感に察知してきたのがファミレス業界である。24時間営業を取りやめる店が増えている。2017年までに「ロイヤルホスト」が、2020年までにすかいらーくグループの店舗が24時間営業を廃止している。後者では一部、深夜営業を復活しているが24時間営業の店舗はめっきり減った。
