肛門に指を入れられる痛みに耐えかね、A子さんが逃げようとすると、腰や腕をつかんで引き戻し、さらに四つん這いにさせて、しつこく肛門の中を指でかき回した。その際、A子さんは肛門裂傷で全治10日間のケガをした。

 約1時間後、倉田は眠くなったのか、A子さんに膝枕をさせて寝息を立て始めた。しかし、A子さんが離れようとすると、「どこへ行くんや!」「何で逃げるんだ!」などと言って怒鳴り、結局、A子さんは全裸のまま、一睡もできずに一夜を過ごすことになった。

あまりにも非情すぎる「上司の反応」

 翌朝、A子さんと倉田はターミナル駅で別れたが、A子さんはすぐに上司に連絡。その日は倉田と一緒に営業先を回る予定だったが、とてもそんな気分にはなれず、欠勤することにした。

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 夕方、喫茶店で上司に会い、昨夜あった出来事を話したが、上司の反応は期待外れもいいところだった。

「ウソをついているとは思えないが…。ウチとしては担当を変えることぐらいしかできない。それも遠回しに言うしかない。抗議なんてとんでもない。仕事がなくなってしまう。事実関係の問い合わせすらはばかられる…」

 それを聞いてA子さんは絶望感に陥り、その場で退社を決意するに至った。

写真はイメージ ©getty

 その夜、A子さんは彼氏にも会って相談。「警察に行った方がいい」と勧められ、翌日には被害届を提出した。

 それを知った倉田は何度も電話をかけてきたが、もはや相手にされなかった。その間に警察の捜査が進み、倉田は2カ月後にA子さんに対する強制わいせつ致傷と監禁の疑いで逮捕された。

 調べに対し、倉田は容疑を否認。「お互いに納得の上での行為で、無理やりした覚えはない」と言い張り、「はっきりと断らなかった被害者にも非がある」として、公判では対決姿勢を打ち出した。

次の記事に続く 《懲役4年のはずが…》被害者女性は勤め先を退職→正社員になる夢も喪失…下請け会社の23歳女性に性暴力をふるった「46歳男のその後」(2009年の事件)

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