2024年の暮れから、たびたび話題を集めている大学サークルがある。その名も、「京大クジャク同好会」。入試の日には受験生を応援し、文化祭ではアイドルさながらに注目を集める。虹色の羽を広げた見事なクジャクが、突如としてキャンパスに現れるのだ。
一体なぜ、大学にクジャクが……? 「文春オンライン」編集部が取材を申し込むと、2羽のクジャクと、同会“会員”の野澤智晴さん(農学部農学研究科応用生物科学専攻を修了)と、川添悠義さん(農学部資源生物科学科3回生)が応じてくれた。(全2回の1回目/続きを読む)
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クジャクの下に人間はみな平等
――こんなに羽を広げてくれるものなんですね。
野澤智晴さん(以下、野澤) 今日は機嫌がよさそうですね。たぶん威嚇だと思うんですけど。
川添悠義さん(以下、川添) ずっと人前に出たりして疲れると羽を閉じちゃうことが多いです。僕らは(京大の)クスノキの前で羽を広げることを「ファンサ」って呼んでます。
――クジャク同好会では2羽のクジャクを飼育していると聞きました。
野澤 オスとメスを1羽ずつ飼っています。飾り羽を広げるのはオスだけで、彼が会長のサカタニです。
川添 メスのスカイレインボーハリケーンゴッドフェニックスが副会長なんですが、気性が荒いのでキャンパスには連れてこられないんですよね。クジャク小屋にいるので、あとで案内します。
――サカタニさんと、スカイ……。
川添 スカイレインボーハリケーンゴッドフェニックスですね。
――ありがとうございます(笑)。野澤さんは3月に修士2回生を修了されたのですよね。サークル長をされていたんでしょうか?
野澤 いや、そういうわけではないですね。SNSを主に運用していたのは僕で、学年も一番上ではあるんですけど。
川添 上下関係、縦の縛りみたいなのがないサークルなんです。クジャクが会長、副会長ですけど。クジャクの下に人間はみな平等なので。
――クジャクの下に人間はみな平等。
川添 はい。このサークルでは。