「寝てる時は完全に目が閉じない」現在の右目の状態は…
――つり上がったまぶたを下げるための手術をしたら、今度はまぶたが閉じているような状態になってしまったと。
霧華 閉じてるまではいかないんですけど、ガチャピンみたいな、半分目が閉じているような状態になってしまって。で、無理やりまぶたを上げると、今度は逆にまぶたが閉じなくなってしまうという。
仕方なく、一時期は右まぶたの裏側にワイヤーを通し、手動でまぶたの上げ下げを調整するようなこともしていました。
――今もまだまぶたの調整が難しい?
霧華 何回も手術してマシになったのが今の状態なんですけど、それでも寝てる時は完全にまぶたが閉じないので、いつも眼帯をつけて寝ています。
眼帯を着け忘れると目が半開きのままになって乾燥しちゃって、涙で目が腫れ上がってしまうので、特に撮影の前日は忘れないように気をつけてますね。
――就寝時は眼帯が必須ということですが、今は日中は、問題なく過ごせている?
霧華 痛みを感じる時はしばらく眼帯をして目を休ませることがあるくらいで、今は問題ないですね。
でも、まだ右目が出ているので、目を引っ込める手術はまたしたいなと思っていて。横を向いて左右の目を比べて見てもらうとわかりやすいんですけど、右目の方が左目よりまだ3mmくらい前に出てるんです。
「一生私は自分のやりたいことなんてできないじゃん」
――手術への恐怖はもうないですか。
霧華 今は逆に怖いんですよ。むしろ最初に手術を受けた時は心が死に過ぎてて、何でも良かったというか、けっこう投げやりな感じでした。少しでも顔が戻るんだったらいいや、くらいなノリで。
今思えば恐怖も感じず、感情がないような感じで、うつ状態だったんだと思います。
――モデルの道が途絶えてしまったタイミングでしたよね。
霧華 私の人生って一生こうなんだ、って思っちゃったんですよ。
バレーもモデルもできなかったし、病気にもなっちゃったし。手術で症状が落ち着いた頃、ダイエットのためにホットヨガに通い始めて、それがきっかけでヨガのインストラクターになろうと就活も頑張っていたんですけど、バセドウ病のせいで落とされちゃったんです。
――自分ではどうしようもない理由で扉が閉ざされてしまう状況が続いていたんですね。
霧華 ヨガのインストラクターは、「レッスン中に倒れられたら困る」という理由でした。まあそうですよねと思いつつ、じゃあ自分は何もできないじゃん、って。一生私は自分のやりたいことなんてできないし、背の高い自分を肯定しようとしてもできない状況に追い込まれました。
ただその一方で、自分はいつか何かで有名になるはずっていう、根拠なき確信があったんです。
撮影=鈴木七絵/文藝春秋

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