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「かぼちゃの馬車」問題、5つのポイント

 読者の方々の中には「不動産投資は自分には無関係」と考える人も多いだろう。

 だが、これは単なる「銀行が関与した不動産投資トラブル」ではない。今回の事件は「不動産」とは元々縁遠かったサラリーマンが巻き込まれたのだ。

 なぜ、一般のサラリーマンが「不動産投資」に手を出してしまったのか。

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 このトラブルを理解する上で5つのポイントがある。

(1)寿命の長期化

(2)マイナス金利

(3)不動産投資が身近に

(4)中古物件の値上がり

(5)サブリース

「年金」代わりとして注目される「不動産投資」

(1)の寿命の長期化については、周知の通り、わが国の平均寿命は年々延びている。一方、年金支給についても支給開始の延期が検討される中、老後に経済的な不安を抱く人が増えている。

 そこで、今注目されているのが、「不動産投資」だ。

©iStock.com

 投資といっても、株のように値上がり益を期待するものではない。「年金」代わりとして、毎月の家賃収入を副収入として得るのが狙いだ。

 だが、不動産を購入するためには多額の借り入れが必要となる。

 サラリーマンの不動産購入のための融資には銀行も慎重だった。

 ところが、その状況が変わる出来事が起きた。

(2)のマイナス金利だ。

 マイナス金利とは、2016年に日銀が発動した金融政策。マイナス金利により、金融機関は積極的な融資をしていかなくてはいけない状況に追い込まれた。そのため、今回問題を起こしたスルガ銀行を始め地方銀行は首都圏に積極的に進出し、個人の不動産に対する融資を強化した。

 そのことが、サラリーマンでも「融資が受けやすい」という環境を作り出したのだ。