不自然極まりない言い訳
「A子さんに連れてこられたんじゃないかとは考えなかったの?」
「私はよく酔っ払うので、介抱するために、ここで休んでいくことにしたのかなとは考えた」
「何でA子さんは介抱のためにラブホテルを選んだと思う?」
「そうですね。だから、どうしたんだろうと…」
「あなたは結婚してるんですよね」
「はい」
「だったら、好意を持たれても応えられる立場にないでしょう。どうするつもりだったの?」
「そういうことは考えませんでした。日頃の態度から見て」
「じゃあ、何でここにいるのって聞かなかったの?」
「聞けなかったとしか言いようがないです」
「少しの間、2人でボーッとしてたんですよね。その後はどうしたの?」
「じゃあ、出ようかと…」
「どのようにして出て行った?」
「私が出始めたら、彼女も付いてきた。それで駅へ行きました」
「疑問は感じなかったの? そこがどこなのかも分からなかったんでしょう?」
「駅の近辺だったので、風景から分かりました」
「あなたにとって、疑問に思うことが一つも出てこないみたいなんだけど、それはなぜですか?」
「自分の行動の非を話していたんで、伝えきれなかったんです」
「結婚してて、隣に女が寝ていたら、普通はビックリするでしょ。あなたの心の動きが分からないんだけど、それは何でなの?」
「うーん…、当然、そう思ったんですけど…」
「気にならなかったということですか?」
「深くは考えなかったです」
このような不自然極まりない言い訳がそのまま通ってしまうのか。
現在の不同意性交等罪では、以下の8つの事項を原因として、「同意しない意思を形成、表明又は全うすることが困難な状態にさせること、あるいは相手がそのような状態にあることに乗じて性交等したこと」と規定されている。8つの事項とは次の通りだ。