トランプ大統領は教皇の衣装をまとった画像を投稿
トランプと親しい極右インフルエンサーのローラ・ルーマーは、トランプが米国内の非正規移民をエルサルバドルの刑務所に強制送還した件を教皇が批判したとして、「教皇は反トランプ、反MAGA、国境開放派、マルクス主義者」と非難した。
トランプ政権第1期の首席戦略官だったスティーヴ・バノンは、レオ14世を「アメリカ人だが、アメリカ・ファーストではない」とし、「レオとトランプの間に摩擦が起こるだろう」と対立を煽っている。
トランプ自身は先代の教皇フランシスコが亡くなった直後に、自分が教皇の衣装をまとったAI画像を自身が運営するSNS「トゥルースソーシャル」にポストし、それを「X」のホワイトハウス公式アカウントが再ポスト。これは故人への敬意を著しく欠く「コスプレ」であるとして猛烈な批判を浴び、あるカトリック団体が抗議の声も上げた。
しかし、トランプはレオ14世については、今のところ教皇就任の祝辞をポストしたのみ。ただし教皇選挙の3日後に「大統領選でカトリック信者の投票を勝ち得た、たくさん!」とポストしている。トランプにとっては信仰や信者もまた「票」なのである。
教皇が贈った「平和は壊れやすい花」と刻まれたブロンズ像
18日の教皇就任ミサには世界150カ国からの代表が参列したがトランプ自身は出向かず、ヴァンス副大統領と国務長官マルコ・ルビオを送り出した。ともにカトリック教徒だ。ウクライナのゼレンスキー大統領も参列し、ミサの後にレオ14世と個別会談した際、重火器の弾薬を保管していた木箱の破片に描かれた「聖母子」の絵を教皇に贈呈し、教皇からも贈り物を受け取った。
ヴァンス副大統領とルビオ国務長官も翌19日の朝に教皇に謁見した。会談は非公開だったが、「教会と米国政府の協調」が語られたと伝えられている。贈り物の交換はメディアの前で行われ、ヴァンス副大統領は教皇の出身地のアメリカンフットボールチーム、シカゴ・ベアーズのTシャツに教皇の名前を入れたものと、ホワイトハウスへの招待状を手渡した。教皇からヴァンス副大統領に贈られたのは、イタリア語で「平和は壊れやすい花」と刻まれたブロンズ像であった。

