「あなた、暴力団組員の家に住んでいますね」

 一恵は古紙回収業を気に入っていたものの、美奈子と文明に迷惑をかけたくないという思いから、生活保護を受けることにした。そうすれば、最低限の収入だけは手に入れられる。

 ネットで調べてから、一恵は市役所へ行って、生活保護の申請をした。すると、担当職員から意外なことを言われた。

「あなたは、暴力団組員の家に住んでいますね。今のままでは、生活保護は受けられません」

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「別にヤクザに養ってもらってるわけじゃありませんよ」

「同居している限りは認められないのです。生活保護を受給したいなら、別々に暮らす必要があります」

 出て行けと言われても、いきなり1人で2児の世話ができる自信はなかった。

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