暑い夏も終わり。夏は家族で過ごす時間も多かったと思うけど、みなさんはお子さんからどう呼ばれていますか?「パパ、ママ」。「お父さん、お母さん」。お子さんが大きいと「オヤジ、おふくろ」かもしれないわね。

 最近は、「〇〇クン」「△△さん」などと子どもが親を名前で呼ぶこともあるんですって! 五歳や六歳の子が親をニックネームや「ちゃん付け」で呼んだり、呼び捨てにする場合もあるの。この問題をどう捉えればいいのかしら。六十代後半のボクの感覚では「ありえない!」。やっぱり違和感があります。

 親子だけではなく親戚の人に対しても「〇〇おばちゃん」などと関係性を示す言葉で呼ぶのが日本の伝統です。戦前までは家制度もあったから、親や目上の人を名前で呼ぶなんてもってのほか。戦後、“友だち親子”という考え方が広がるなかで、それが徐々に変わってきたのね。

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親子は触れ合いと言葉で絆を作る
Photo:Kyodo

 そんな家制度や礼儀とは別に、呼称には大事な役割があると思うの。赤ちゃんが最初に口にする言葉は「ママ」でしょう?(お父さんには悪いけど「パパ」じゃないのよ)。母親の側も「ママ」「お母さん」と呼ばれることで本能的に母性が働き、子どもへの愛着も強まる。父親も「パパ」「お父さん」と呼ばれて親としての自覚が育つんです。ドラマでもよくあるじゃない。「ついに俺もパパか……しっかりしないとな」なんてシーンが!

 とはいえ、最近は価値観も多様化しているし、呼び捨てがダメとか一概に言えない面もあるわね。ボクのブログでこの問題に触れたら、驚くほどたくさんのコメントが来たの。子どもに名前で呼ばれても平気という方もいるし、親の威厳が保てないから反対という方もいる。孫に「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ばせない人も増えているみたい。これも時代の変化かしら。ほんと複雑ね。