コミュニケーションは相手のスタイルに合わせて

誰とでもうまくやっていく秘訣は、相手を優先することだと言われます。これは、まったくもってその通り。でも、いつでも自分の欲求や感情を押し殺して、相手を優先してばかりいると疲弊してしまいます。

私が見てきた一流に共通しているのは、誰に対してもしっかりと自己主張しながらも、うまくやっていることです。こんなことが可能なのは、コミュニケーションのスタイルをいくつも持っていて、相手によって変化させているからです。

人はそれぞれ、性格、価値観、育ってきた環境などが異なります。これらは、コミュニケーションの「クセ」、つまり好む言葉や好むアプローチの違いにつながります。

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「この仕事を明日までにやってください」とひと言で指示されて、「ビジネスライクで冷たい」と嫌悪感を示す人がいる一方で、「余計な情報が削ぎ落とされていてわかりやすい」と好感を持つ人がいます。これが、その人のコミュニケーションのクセです。

相手のコミュニケーションのクセについては、「ソーシャルスタイル理論」が有名です。

これは、その人が、①「意見を主張する」のか、それとも「意見を聞く」のか、②「感情表現を抑える」のか、それとも「感情を表す」のか、の2軸でコミュニケーションのクセを4つに分類するものです。

コミュニケーションのクセ4分類

「意見を主張する」×「感情表現を抑える」は、自分で物事を決めるのが好きな人(ドライバー)。説明は短く、明確に。いくつかの選択肢を示して相手に選んでもらうといいでしょう。

「意見を主張する」×「感情を表す」は、注目されることが好きな人(エクスプレッシブ)。相手の話をしっかりと聞きながら、仕事の面白さや新規性を伝えます。話が自分の興味のある方向にそれがちなので、ところどころで本題に戻ってどのくらい理解しているか確認するといいでしょう。

「意見を聞く」×「感情表現を抑える」は、分析や論理が好きな人(アナリティカル)。