また、不満や悪意があるわけではなくて、自分を認めてほしい、ストレスを発散したい、周囲の人の関心を引きたい、という気持ちから、誰かと話をするチャンスがあれば、かわいそうな自分や他の人よりイケてる自分の話をする人もいます。

一流は、社会人である以上、誰とでもうまくやっていかなければならない、でも、誰とでも親しくつき合う必要はない、と考えています。それほど親しいわけではない人と話をするのは、たまたま一緒になったときだけ。エレベーターを待っている間とか、通勤電車で偶然同じ車両になったとか、特に何もすることがないときがほとんどです。

どのみちすることがない時間なのだから、話の内容が何であれ黙って聞きます。エレベーターや電車が目的地に着いたら、話は終わるのですから。

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誰からも助けてもらえるのが一流の証

相手に好かれようとして、ネガティブな話にも共感を示す人がいますが、これは絶対にダメです。嫌な顔ひとつしないで話は聞くけれど、傾聴してはいけません。傾聴すると「私に同意してくれた」と受け取られるからです。そればかりか、いつの間にかその話をしていたのは自分にされてしまいかねません。そうなると、周囲から自分が誤解されて、敬遠されてしまいます。

だから、こういう人に対しては、自分は「壁」になったつもりで、思う存分壁打ちをしてもらいます。そうは言っても、楽しくない話をただ聞いているのはつらいものです。だから、話を聞き終わったら、自分で自分に「お疲れさま」と言ってきれいさっぱり忘れてしまい、吸い込んだネガティブな空気を吹き飛ばしてしまいましょう。誰とでもうまくやっていくためとはいえ、自分が精神的にダメージを受けてしまっては、何にもなりませんから。

こんなふうにしているから、一流は誰からも嫌われません。むしろ、思わぬところから助け舟が出てきます。

あるスタートアップ企業に勤める方は、東京の一等地に自社の看板を出すミッションを担っていましたが、目立つ場所の広告料は高く、人気もあるので、苦戦していました。