――2023年にパートナーの方と入籍されてからは、SNSで2人の写真も見かけるようになりました。
吉野 パートナーは私のことを「素敵だね」と言ってくれる人です。以前の私は自分に自信がなくて褒められても素直に受け取れなかったけど、少しずつできるようになってきたんだと思います。
――最近では、「大きいサイズのドレスがない」というブライダルフォトの投稿が話題になっていましたね。
吉野 沖縄でブライダルフォトを撮影したのですが、私に合う15号サイズのドレスがほとんどなかったんです。今でも結婚式や撮影に向けて「ドレスを着るためにダイエットしよう!」と思う人は多いでしょうけど、プラスサイズモデルの私がやるべきなのは「大きいサイズのドレスを欲しがっている人がいる」と示すことだと思ったんです。
たしかに結婚式は一大イベントですけど、結婚式の後にも生活は続きます。結婚式のために急激なダイエットをして、リバウンドしたり体調を崩したりする方もいらっしゃる。それって悲しいじゃないですか。
「何が言いたいかというと、自分の体は敵じゃなくて…」
――どんな反応がありましたか?
吉野 「痩せる努力をすればいい」「なんでデブのままドレスを着ようと思えるのかわからない」というコメントも多少はありました。でもそれ以上に「めっちゃわかる!」「そもそもドレスのサイズが少なすぎるのがおかしいよね」と言ってくれる人がとても多くいました。本当にその通りで、結婚するのに体型は関係ありませんよね。
――現在の吉野さんは、自分の体型について悩んだり周りと比較したりすることは完全になくなりましたか?
吉野 うーん、今もコンプレックスはありますよ。自由に服が選べなくて不便だなとか。世間的に見れば、私は「太っている」部類に入ると思いますし。でも、それを醜いとは思わなくなりました。
例えば私の太ももは脂肪が多くて触ると冷たいので、私は「冷たくてかわいそうだな」と湯たんぽで温めてあげるんです。何が言いたいかというと、自分の体は敵じゃなくて、一緒に生きていくパートナーなんです。否定するんじゃなくて、労わってあげる。それが本当の意味で「自分を受け入れること」なんじゃないかな、と思います。

