「オモテに出てはいけないおじさん」(byプチ鹿島)こと、自民党の二階俊博幹事長がまた問題発言を行った。いったいどのような意図で発言したものなのか? その前後を追ってみた。
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二階俊博 自民党・幹事長
「この頃、子供を産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」
産経ニュース 6月26日
自民党の二階俊博幹事長が26日、東京都内で講演し、少子化問題について「この頃、子供を産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と語った。ネットでは「国として少子化対策でやるべきことをやらず、子どもを産み育てにくい社会にしておきながら、個人の選択を非難するな」というような批判が相次いだ。
二階氏は同講演で「戦前の、みんな食うや食わずで、戦中、戦後ね、そういう時代に、『子どもを産んだら大変だから、子どもを産まないようにしよう』といった人はないんだよ」と語った上で、先の言葉を発言した(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」6月26日)。発言の主旨を読み解くと、これからの日本を子どもがたくさん生まれた「戦前、戦中、戦後」のようにしていこう、そう思わない人は「勝手なことを考える人」だということになる。
言うまでもなく、子どもを産んで幸せを感じるのも、子どもを産まなくて幸せを感じるのもその人の自由だ。子どもを産みたいと思っている人が、子どもを産んで育てやすい環境を整えるのが政治家の仕事であって、特定の家族観、価値観を押し付けるのが仕事ではない。
今年5月には自民党の加藤寛治衆院議員が「新郎新婦には、必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい。結婚しなければ、ひとさまの子どもの税金で老人ホームに行くことになる」と発言、批判を浴びて謝罪、撤回したが、その後、「全国から多数の賛同が寄せられていることを考えると批判は当たっていないのではないか」と反発した(NHK NEWS WEB 5月27日)。
昨年11月には、自民党の山東昭子元参院副議長は「子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」と発言して物議を醸した(朝日新聞デジタル 2017年11月21日)。
萩生田光一幹事長代行も今年5月に「赤ちゃんにパパとママどっちが好きかと聞けば、ママがいいに決まっている」と失言している。
ただし、二階氏は発言を撤回していない。間違ったことは何一つ言っていないと思っているのだろう。