そもそも座って休めるところが少なすぎる
国によってはその地味な部分さえもが何か国情を反映しているようで興味深かったんですが、国の数がとにかくやたら多く、歩き疲れた夫は途中から「早く帰りたい」オーラ満載。私もさすがに疲れ果てました。座るところや日陰、飲み食いするところが人の数に比して少ない。もちろんレストランなんて大混雑で入れるわけもない。なんとか見つけたベンチで持ってきたお茶とおにぎりを掻っ込み、また立ち上がり次の館へ。トイレはさすがに列がなくてすんなり入れましたが、給水機の前にも列。給水でさえ並ばないとあかんのかい! と思ってげんなりし、結果的に、午前10時半に入って午後2時には出てしまいました。あれ以上は無理……。みんな本当に体力あるなあ。
帰るときに入場してきた東ゲートをふと見たら、その時間帯にはもうかなりすいていました。たぶん、自分たちは「全日、とにかく元取るぞ!」と思って入ったのが敗因のような気がします。午後にゆっくり入ってちょっと回って、というほうが、結果的に並ばず体力も使わずに複数パビリオンに入れたのかもしれません。遠足形式で学校の先生に連れられてやってきた小学生や中学生の大群も、疲れた表情でその時間帯にはぞろぞろ学校に戻っていく様子でした。
政治的な思惑なんて感じさせない好評ぶり
帰ってきて職場で「いや~大変だったわ~」と言ったところ、大勢の人に驚かれました。「それ、僕の周りで初めて聞くネガティブな反応ですね」などと言われたのです。確かに私自身の周りでは職場・おばちゃん仲間・SNS問わず、とにかく万博についてネガティブなことを言う人がいません。
みんな「価値があった! 確かに混んではいたけれども入れなかったパビリオンにも今後入りたいから自分は通期パスを買う(ないし買った)!」なんていう人ばかり。「え~、疲れ果ててもう二度と行かないと思ったよ……」と言っているのは、見渡す限り夫と私だけなのです。
これが自分の会社の中の話ならまあ、関西で生きる社である以上、何かこう政治的な思惑が働いているんだろうなと穿った見方をしてしまうところですが、姉夫妻、ゴルフ仲間の奥様、駅前女性専用ジムのおばちゃんたち、Facebookの友達、関連会社の管理職女性、みんながみんな万博について「面白かった」「混んではいたがまた行きたい」「お勧めの方法はコレ」「混雑を避ける方法は」「私なりの楽しみ方はこう」などと言って、通期パスを買っている。そして、ホントにネガティブな感想を聞かない。私は大阪では変わり者なのだなあ。