かといって、並ぶのに子どもを何時間も付き合わせるのはさらに難易度が高いでしょうし、やっぱり現地にいたのは自分たちぐらい(つまりは50代後半)が入場者全体の中央値だったような気がします。現に読売新聞によると、スマートフォンの位置情報を分析する会社の調査で、来場者の7割強が50歳以上と推計されるそうです。中高年層が頑張って社会的要請に伴いスマホを練習する場になっているのかも。

バーチャル映像をいかに楽しめるかがカギ?

ここからは完全に個人の感想で恐縮ですが、そういえば私はいわゆるイマーシブ系(没入型)のコンテンツとは相性が悪い人間だったのです。それも万博を楽しめなかった敗因かもしれません。主要国はこぞって現実と仮想空間を融合するバーチャルリアリティの展示に力を入れていましたが、それらの映像を見ても、「美しいリアルの単なるコピーを特殊メガネや大きな場所で映してるだけやん」という感想しか持てないのです、いつも。

リアルじゃないものにお金をかける価値を感じないと自覚されている方は、今回の大阪万博には少々物足りなさを感じるかもしれません。だからこそ、ホンマもんの美術品が並んでいるはずのイタリア館だけは行きたかった。あれだけは悔しい。悔しすぎます。かといってそれだけのために通期パスを買うのは……(くどいようですが3万円)。

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他方で一日券(7500円)や平日券(6000円)をまた買ってイタリア館に根性で並ぶのも、これから暑くなるなか、しんどすぎます。入れるという保証もないのに6000円を払える人がいるのでしょうか。しかもパビリオン一つだけのために。いつか倒れる人も出るかもしれません。

なおその後の報道によりますと、私が行った平日は、ゴールデンウィーク期間中の入場者数とほぼ同じ約13万人。例えば5月3日土曜日(憲法記念日)は12万696人、5月5日(子どもの日)は12万6371人でしたから、平日を選び土日祝の混雑を避けようとした目論見は、ものの見事に外れたということになります。