ただ「座る」だけでない、意外なニーズも

 筆者が訪れた平日の午後3時頃は、ランチのピーク時間を過ぎて空いていた。無料の立ち席はかなりの人で埋まっていたが、有料席はガラガラ。絶対に座りたい場合を除き、混む時間帯を避ければ、予約しなくても大丈夫かもしれない。そもそも座りたければ、フードコートのすぐ外にある大屋根リングの下にずらりとベンチがある。そこで座って食べれば良いだろう。

筆者が訪問したタイミングでは、有料席の埋まり具合はまばらだった

 同フードコートには「大阪王将」「串かつだるま」「神座」など、大阪でも知名度が高い店がそろい、まさに大阪のオールスターといった面々だ。中には「神戸牛プレミアム重」(8800円)、「松阪牛すき焼き餃子」(3個2300円)など高額メニューもあるが、1000円前後と庶民派のメニューも用意している。たこ焼きにソースを塗る調理ロボットや、メニュー運び・掃除用のロボットなど、各所で人間とロボットの協業が見られるのも面白い。人手不足と作業効率化に対処する店舗運営が進められている点では確かに「サスティナブル」である。

 実はこのフードコートにある有料席は「座る」だけでないニーズがある。というのも、有料席には並ばずに食事が注文できる「ファストパス」機能も付いているのだ。さっさと食事を終わらせて、できるだけ多くのパビリオンを見学できる。

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「座る」以外にファストパスとしても機能するのが、有料席のメリット

「穴場フードコート」は西側にあり

 大阪外食産業協会(ORA)のパビリオンにある「フードブース-UTAGE-」は1丁目から9丁目まで、9つのブースが入居している。テークアウト専門で、座席は設けていない。

大阪外食産業協会による「フードブース-UTAGE-」
全部で9つのテナントがある

 各ブースは入居期間によって入れ替わり、会期を通して出店する企業もあれば、1週間や2週間のケースもある。4月のスタート時はまだ肌寒かったこともあり、1週間限定で出店した「まことや」のラーメンがすごい勢いで売れたという。

 こちらも高額なメニューがいくつか目立つ。例えば、サラヤが出店するブースでは「神戸牛メンチカツサンド」が2切れで1600円。象印マホービンが出店する「ONIGIRI WOW!」では、おにぎり1個が450~650円ほどである。ただ、同社の最上級炊飯器「炎舞炊き」を使用しており、炊きあがったご飯は寿司ロボットを手掛ける鈴茂器工のおにぎりロボットが握る、「近未来のおにぎり専門店」という体験価値を考えれば、そう高くないかもしれない。

「2切れで1600円」のサンドも
「ONIGIRI WOW!」ではロボットが握った「高級おにぎり」を売っている。サイズは通常の1.5倍くらいある

「好きやねん大阪フードコート」は、大阪の庶民派グルメを集めたフードコートで、会場内の東西にほぼ同じ内容で2カ所ある。東側の「EAST SIDE」は、600席ほどあるが、平日でもランチタイムは混み合う。 庶民派のフードコートだが、「横綱」で提供しているメニューを見ると「ハーフお好み焼き(豚玉)」が1280円、「揚げたこ焼き」が6個で900円など決して安くはない。同店の新世界本館では(全く同じ内容ではないかもしれないが)お好み焼きが605円、揚げたこ焼きが6個330円と考えると、気が引ける。

「好きやねん大阪フードコート」は東西に2つある。画像はEAST SIDE

 ちなみにもう一つの好きやねん大阪フードコート、「WEST SIDE」は西ゲートの裏手にあり、周囲の人通りが少なく、比較的空いている。

WEST SIDEはWi-Fiもつながりやすく、穴場といえるかもしれない

 会場内はWi-Fiの繋がる場所が限られているが、ここは比較的よく繋がる。ゆっくり座ってどこのパビリオンを回るか、プランを練るには良いかもしれない。