早稲田大学在学中の2020年に「渡辺まお」としてセクシー女優デビューし、2022年に引退した神野藍さん(25)。現在は会社員として働く傍ら、文筆家として活動している。

 そんな彼女がセクシー女優時代の「私」を赤裸々に綴った衝撃のエッセイ『私をほどく』(KKベストセラーズ)を上梓。今回は本を発売することを決めた理由についてお聞きしました。(全2回の1回目/続きを読む)

神野藍さん

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人生が悪い方へと傾きかけていた当時、セクシー女優が救いに見えた

――著書ではセクシー女優になった時の感情を赤裸々に書かれているのが印象的でした。改めて当時の心境を教えてください。

神野 セクシー女優になれば、今まで自分にまとわりついていた「しがらみ」を取り払えるんじゃないかなって思っていました。自由になれるかもしれないっていう期待が大きかったです。

――それまでは自由じゃなかった。

神野 高校生まで心配性の親に囲まれて、大事に大事に箱入り娘のように育てられてきたので自分の気持ちを抑えていた部分があったんです。優等生ではなかったけど、親に反抗することはなかったし、生徒会に入って校外の活動するなど先生から信頼されていた生徒ではあって。それが嫌だったわけではないんですけど、もっと広い世界を見てみたかったんです。だから大学は東京に行って一人暮らしがしたかった。

 でも、親の希望としては地元の東北大学に進学してほしかったと思います。

――結果的に東京の早稲田大学に進学しました。

神野 ちょうど早稲田の指定校推薦の枠があって、最初は親も反対していたんですけど、最終的には納得してくれて。それで夢だった東京の大学に進学することができました。上京する時は寂しいとか、離れたくないって気持ちよりも「これからは新しい自分の人生が始まる!」って気持ちでした。