NHK連続テレビ小説『あんぱん』で、ヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹・蘭子役を好演している河合優実(24)。
本記事の前編では、俳優を志したきっかけやデビューまでの軌跡について触れた。大ヒットドラマ『ふてほど』での躍進、「一番夢見ていること」という質問に対する回答、『あんぱん』で蘭子という役柄に込めた思いとは……。(全2回の2回目/はじめから読む)
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河合優実の存在が多くの人に知られることとなったのは、ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS、2024年)への出演だろう。80年代からやってきた阿部サダヲ演じる主人公の一人娘であるツッパリ少女・純子を演じたのだ。
プロデューサーの磯山晶氏は、ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の第1話を観て「この人、凄い」と心を奪われ、キャスティングしたという。同ドラマで共演した錦戸亮の「河合優実さんという女優はすごい」という言葉も後押しになった(「スポニチアネックス」2024年2月24日)。
ドラマの中でタイトルが登場する『毎度おさわがせします』(1985年)や『積木くずし』(1983年)のDVDを観て撮影に臨んだ。驚かされるのは、過去の作品を観て掴んだ「昭和っぽい身体」を演技に取り入れようとしたことだ。
「当時の女の子は発声というか、喋り方がちょっと違うように感じたんです。それから一般的に“おばさんっぽい”と言われる仕草ってあると思いますが、それって多分昭和を生きてきた女性がしていた仕草が令和でそう見えているのかなと。その時は女子高生が普通にやっているけど、今見たらちょっと古臭いと感じる喋り方や動きをしていたんじゃないかなと想像して演じています」(「modelpress」2024年2月29日)