20年以上原因不明の体調不良を抱え、20回以上入退院を繰り返し、38歳の時に難病「慢性偽性腸閉塞症(CIPO)」であることが判明した医師のエマ・大辻・ピックルスさん(47)。
胃の大部分と大腸を摘出し、現在はオストメイトモデルとしてストーマについての情報発信を行うエマさんに、闘病の日々やストーマとの付き合い方などについて、話を聞いた。(全3回の2回目/3回目に続く)
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「デニムは穿けないですね」ストーマ(人工肛門)があるゆえの服装の悩み
――素敵なお洋服ですね。
エマ・大辻・ピックルスさん(以降、エマ) ここ、わかります?(と、お腹のあたりを触る) ゴソゴソってしてるところ。ストーマ(人工肛門)のパウチが付いてるんですけど。
――言われても全然わからないです。
エマ さっき、取材前に喫茶店に行った時、パウチの中にガスが溜まっちゃったんで出してきたんですけど、私の感覚ではまだペッタンコじゃないから気になって。
こういうギャザーが入っている服だとごまかしが利くんですけど、そういう意味でストーマは服選びが面倒臭いですね。
――ジーパンみたいな伸縮性のないものは厳しい?
エマ デニムは穿けないですね。穿くならマタニティデニムで、と言われています。看護師さんたちからはチュニックを勧められるんですけど、それ一択じゃちょっと厳しいですし。
「腸に疾患があるのでは?」産科の医師が身体の異常を指摘
――今ちょうどマタニティウェアの話も出ましたが、33歳で出産された際、産科の医師からも身体の異常を指摘されたそうですね。
エマ 「出産してもお腹がへこまないのはおかしい。腸に疾患があるのでは?」と言われたんです。
それで検査してもらった結果、胃が拡張していることがわかって、胃の中の空気を抜くために胃ろうを作ったんですね。


