その後、半年前からはブロック目的ではなく、私自身の身体的事情によって「右側立ち」せざるを得ない状況となったが、嫌がらせの傾向は大きく変化せず、頻度は非常に少ないながら心ない言葉や体当たりされたこともゼロではなかった。
そうこうしつつ、この1年間の全期間を通じて毎日欠かさず右側立ちで利用し続けることになったのであるが、この1カ月あまり、とくに5月初旬より実感しているのが、冒頭に述べた「潮目」と「立場」の変化だ(むろんこれはあくまで私の主観的なものである)。
GACKT氏のポストに平野啓一郎氏も続き…
大阪万博では、昨年の記事でも取り上げた最寄りの夢洲駅だけでなく、会場の大屋根リングに設置されたエスカレーターにおいても歩行せず2列に並んで乗るようアナウンスされているとのことだが、それによって人々の行動に変化がもたらされてきているという。
大阪府の吉村洋文知事は6月13日、会場で「立ち止まって2列」の利用が定着していると評価、「万博のレガシーとして広めたい」と述べた。だがそれ以前に、ネット上ではこの“片側空け論争”に著名人が続々と“参戦”してきており、私の感じた「潮目の変化」は万博よりも、これら著名人の影響のほうが大きいのではないかと思っている。
X(旧Twitter)で「エスカレーター片側空け」などを検索してみると、最近この問題についての投稿が活発化したのは、ミュージシャンのGACKT氏が5月8日に自身のXで持論を述べたことを契機としているように思われる。彼は共同通信が配信した大阪万博でのエスカレーターマナーについての記事に好意的に反応し「片側を空ける習慣が日本でも消滅するかもしれない」といった内容の長文を投稿した。
その数日後には作家の平野啓一郎氏もXに投稿。エスカレーターから転落して顔面から出血した人を目撃した経験とともに「いい加減、片側を空けるのは止めましょう」などと発信した。