うだるような暑さが梅雨明け前なのに襲来している6月中旬。こんな気候になれば冷たい麺が食べたくなる。

 キンキンに冷えたそうめんやそばを食べた時の爽快感はたまらない。中にはもっと冷やしてほしいと願う人達もいる。

高田馬場は真夏の空だ

 山形の冷しラーメンには氷が泳いでいたりする。新御徒町にあった「アヅマ」という立ち食いそば屋では、冷しそばを頼むと、出汁つゆを凍らせ、凍った一部分を砕いた乱雑な形の氷がのってきた。

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 ところで、築地で氷卸をやっている社長に聞いたことがあるのだが、出汁つゆをカチカチに凍らすことは無理だという。塩分濃度が高いため、凍らせても水分だけが凍って出汁つゆは濃縮されて簡単には凍らない。

「立ち喰いそばうどん松石」の石田さんから驚きの連絡が…

 ところが、高田馬場にある「立ち喰いそばうどん松石」という立ち食いそば屋の店主石田さんから、驚くような連絡が入ってきた。「シャリシャリの出汁氷を作ることに成功した」という。

日曜日、松石さんを急遽訪問することに

 氷卸の社長さんにもできなかったことを成功させるなんて、SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシンに次ぐ大発明じゃないか。

 さらに、それを使ったメニューを開発中なのだが、凄く悩んでいるとのこと。是非来てほしいといいう。これは早急に訪問してその発明と悩みを確かめるしかない。

 6月第4週の日曜日、午前10時過ぎに高田馬場に降り立った。異様な暑さだ。幸寿司あたりの取り壊しも始まったようだ。信号を渡り、名店ビルの地下1階にある松石に到着した。

新メニューの夢ばかりみているという石田さん

 扉を恐る恐る開けると、いつもの石田さんがにっこり微笑んだ。