「ラウンジで働かない?」大学入学後、港区でバイトするように

――高校を卒業して、東洋大学に入学します。

上福 帰国子女枠だったので、面接と小論文で受かりました。実家から大学まで片道2時間30分かかるし、満員電車でしたし、本当に嫌になって。母に「仕送りはいらないから一人暮らしをさせてほしい」と頼んで、大学に近い巣鴨に住んでひたすらバイトしていたんです。

 居酒屋とバーを掛け持ちしていたら、バイト先の子から「港区のラウンジで働かない? ゆきちゃんなら採用されると思うよ」と誘われて、そのお店でバイトするようになりました。

ADVERTISEMENT

 

――大学で友だちはできたんですか?

上福 サークルに入っていなかったので、ひとりぼっちでした。サークルの新歓コンパには行ったけど、4年生の男が「俺たちは酒を酌み交わした仲だ」と絡み出して、「親の金で大学に通っている分際でダサいな」と思って。

 他にいいサークルがあったのかもしれないけど、一発目がこれだったので、「サークル=地方出身のイキッた奴らの集まり」というイメージになったんですよね。

 そんな人たちと話すよりラウンジでおじさんの人生を聞いていたほうが自分にとってメリットがあると思ったから、サークルには入りませんでした。

「レディ・ガガみたいだね」巣鴨のお年寄りから大人気→大学のミスコンで準優勝

――大学時代はスロットをよく回していたとか。

上福 祖母の影響でスロットが好きになっていたんですけど、さらに当時の彼氏がパチンコ依存症だったから、デート代わりにパチンコ店に行くようになって。気づいたらスロットの目押しが上手になっていました。

 巣鴨の店なので、隣で打っているおばあちゃんやおじいちゃんが困っていたら、代わりに目押しをしてあげるようになったんです。おばあちゃんやおじいちゃんがジュースを持って来て、「ありがとね」とお礼を言われるようになりました。

 

――巣鴨のお年寄りたちと仲良くなって。

上福 巣鴨の商店街を10cmのヒールで歩いていたら、おばあちゃんが「あんた、レディ・ガガみたいだね」と話しかけてきて。「巣鴨のスターだよ」と持て囃されるようになったんです。

 おばあちゃんたちに「大学のミスコンに出るんだよね」と話したら、「スターが出るなら行くよ」と足を運んでくれて。サークルに入ってないのに、おばあちゃんやおじいちゃんの組織票で準グランプリになったんです。

――一般の方も投票できたんですね。

上福 そうなんです。しかも、学生は自分のサークルで忙しくて事前にオンライン投票する人が多いけど、オンラインより当日のリアル投票のほうが得点が高いから、おばあちゃんたちの組織票が活きました。