——『M-1』で優勝してますからね。ところで、井口さんはもともと『M-1』で優勝する気がないと言っていたと思うんですが、それはどういうお気持ちだったんでしょうか。

井口 今は優勝して良かったと思いますけど、本当に優勝はしたくなかったので「さや香、がんばってくれ」って思ってました。権威みたいになるのも嫌だったし、単純に忙しくなって寝れなくなるのとかも困るので。決勝行ってネタができてウケればいいっていう感じでした。結果、優勝してもそんなに変わらなかったから良かったですけどね。

 

「僕自身は『M-1』にそんなに思い入れがないんですよ」

——優勝後のドキュメンタリー番組の『アナザーストーリー』では、過去の優勝者は感極まって泣いたりしてましたけど、井口さんは全く泣かなかったのも話題になっていました。スタッフが何とか泣かせる方に持っていくのを、ずっとかわし続けていて。

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井口 いや、だって別に、優勝して泣く意味って全然わかんないじゃないですか。みんな突き詰めて考えてないんですよね。優勝したから感動するっぽい、だから泣く、みたいな感じ。別にそんなにがんばってもないですからね。優勝したからって何がどうなるわけでもないし、泣くようなことじゃないです。

 

——今後の『M-1』はどうなっていくと思いますか?

井口 ……何も思わないですね。優勝させてもらったのはありがたいですけど、僕自身は『M-1』にそんなに思い入れがないんですよ。過去の『M-1』も一回ずつぐらいしか見てないし。だから何もないですね。どうなっても別にいいし、みんなが好きな「M-1物語」みたいなのもよくわからない。

 でも、『M-1』ってなんかすごそうな感じはするじゃないですか。だから、作り方が上手いんでしょうね。「漫才か、漫才じゃないか」とか、そんなことが話題になるのも『M-1』だけだし。ただ、出てる方としては、別にほかの番組と何も変わらないです。