「なんか知らないやつがいるな」って軽くイジったら、小声で「いや、ちょっと……」
——本当の老人みたいになってる。
井口 でも、そのぐらい変わってきてるじゃないですか。若手と一緒にライブに出たとき、「なんか知らないやつがいるな」って軽くイジったら、小声で「いや、ちょっと……」しか言わないんですよ。もう芸人やめた方がいいですよ。
この20年ぐらいで人間の感覚とかしゃべり方が変わってるから、全く違う人種なのかもしれないですね。本当に噛み合わないんですよ。みんなYouTubeみたいな自分の世界だけでやってるから、人とのコミュニケーションができなくなってる。自分のやりたいことだけをやるっていうのは、ただのわがままですからね。嫌なこともやれよ、っていう。嫌なことを1つもやらなくなったら終わりじゃないですか。
——今はそういうのを上の人が若い人に言えないっていうのがありますよね。パワハラになっちゃうんじゃないか、っていうのがあるから。
井口 でも一回ちゃんと言ってみたらいいんですよ。みんなが自分勝手なことばかりやってたら、経済が回っていかないじゃないですか。いつか絶対ひっくり返ると思いますよ。
——世の中の方が変わるという確信があるんですね。
井口 だって、ずっとそうなってきてますから。僕がこういうこと言っても誰も信じないんだけど、今までもずっと当たってますからね。やりたいこととかやりがいとか言ってないで、困ってる人のためにがんばるとか、尊敬する人のために我慢するとか、そういうことをやっていく時代になると思います。でも、本当にそうなったときには、みんな僕がそう言ってたことも忘れてるんでしょうね。だから、こんな本を出しても意味ないですよね(笑)。
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