『M-1グランプリ』王者のウエストランド・井口浩之(42)と『水曜日のダウンタウン』『家事ヤロウ!!!』などを手がける構成作家の飯塚大悟。この2人によるお笑いナタリーの対談連載が『今月のお笑い ウエストランド井口と作家飯塚のお笑い界ひねくれ大解説』(宝島社)として書籍化された。
誰彼構わず噛みつきまくる毒舌芸で名を馳せた井口は、テレビや『M-1』の未来をどう見ているのか?
——この本の中では、テレビのあり方が変わっているという話もされていました。深夜番組だとリアルタイムの視聴率よりも配信の再生回数が重視されるようになったりしているとか。
井口 深夜2時ぐらいの番組だと視聴率なんてほとんどないから、そういう別の指標があってもいい気はします。でも、配信ではとにかくエロい感じのやつが伸びてきてるから、そういうのは気持ち悪いです。『バラバラ大作戦』(テレビ朝日の深夜バラエティ枠)なんて大半それなので。女性アイドルが「実はAV見てます」って発言した回がやたら伸びてたりとか。
「僕はエロく見られてない中では相当がんばってる」
――エロに負けちゃう?
井口 結局みんなエロいんだけど、AVとかは素直に見られないから、バラエティで満たされようとする。そこで満たそうとすんなよ、っていうのは思いますね。スタッフはみんな嘆いてるんですよ。どうしてもエロの方が伸びちゃうから。
——やっぱり配信だとサムネイルだけを見てクリックされるかどうかの戦いになるから、どうしてもそういうのが強くなるんですかね。
井口 そこを何とか覆していきたいです。結局、僕なんて性的に見られてないわけじゃないですか。ほかの人気ある芸人はみんながエロい目で見てるから、突き詰めたら全部エロなんですよね。恋愛リアリティショーも、お笑いコンビの仲が良いと喜ぶのも、全部エロです。面白いかどうかなんてどうでもいいんですよ。エロく見られるかどうかだけです。逆に言うと、僕はエロく見られてない中では相当がんばってると思いますよ。

