このほかに体の状態から、誰が見ても判断できる“社会死”があります。例えば、白骨化している、体の損傷が激しく蘇生が不可能と判断される場合は、社会死とみなされます。救急隊員が社会死と判断した場合は、病院には搬送されません。
状況や年齢で異なる“死”の過程
どのように“死”を迎えるのかは、病気や年齢などで大きく異なります。
事故や病気などによる突然死は、予期しない死であり、まさしく突然やってきます。心臓や肺、腎臓などの重篤な慢性疾患がある場合は、治療して状態がよくなる状態を繰り返して、徐々に体の機能が低下していきます。
持病ががんの場合は、ほかの病気に比べて死がより身近になります。日本人の一生涯のがん罹患率は、男性で約60%、女性で約50%です。これは日本人の2人に1人が、人生で一度はがんにかかることを意味します。治療後に再発することなく天寿をまっとうする人もいますが、すべてのがんの5年生存率(5年後に何パーセント生存しているか)は64.1%(国立がん研究センター がん情報サービス)で、ほかの病気に比べて死のリスクが高いことは事実です。特に、がんが進行してから見つかった場合は、診断されてから死に至るまで、かなり短期間であることが多々あります。
これら以外に最近増えているのが、老衰による死です。充実した医療が受けられるようになり、病気で死ぬ人が減った現代では、加齢とともに心身の機能が徐々に衰えていき(老衰)、死を迎える人が増えています。ただ、日本では何歳で亡くなると老衰死といった明確な定義がありません。そのため、老衰による身体機能の衰えで病気になり、それが原因で亡くなった場合は老衰死ではなく病死とみなされます。
★死の迎え方はさまざま。日本では老衰による死が増えています
現実には難しいピンピンコロリ
理想の死に方として、ピンピンコロリを挙げる人は多いかもしれません。
ピンピンコロリとは、病気などに苦しまず、最期まで自分のことは自分でできて、介護を受けることなく元気に長生きしてコロリと死ぬことを意味しています。