――『男はつらいよ』のどんなところに惹かれていたのでしょうか。
じゅの 絶対に今じゃ作れないような脚本に惹かれましたね。隣の人がやってきて、突然喧嘩を始めたりとか(笑)。でもそれが、ありのままの人間を映し出している感じがして好きなんです。
作品の内容はもちろん、昭和の家族像というか、背景を感じられるところも好きです。今は、同じ空間にいてもスマホでそれぞれ好きなものを見るじゃないですか。だから少し人間関係が希薄になっているけど、『男はつらいよ』を見ていると家族や人とのつながりの大切さを感じられる。
それに、家族みんなで楽しめる内容なのも良いんですよね。夕飯のときとかに、みんなで集まってテレビを囲みながら見てもらうことを想定して作っているんだろうなって感じます。
祖母から「懐かしい曲を知ってるね」と言われ…昭和歌謡にのめり込んだ“きっかけ”
――じゅのさんは現在、イベントで昭和歌謡をよく歌っていますよね。昭和歌謡の世界にはどのようにハマっていったのですか。
じゅの 小学生の時に、昭和の曲だと知らずに『木綿のハンカチーフ』を覚えて、おばあちゃんの前で歌ったんですよ。そしたら「懐かしい曲を知ってるね」と言われて。そこから昭和歌謡を聴くようになりました。
父方、母方の祖父母がどちらも近所に住んでいたから、よく一緒にカラオケに行ったりもしていたんです。そこで祖父母が歌う昭和歌謡を聴いて「素敵!」と思って、曲を覚えて……。そうやっていろいろな曲を聴いていたら、どんどんのめり込んでいきました。
――昭和歌謡のどんなところに魅力を感じたんですか?
じゅの 昭和歌謡って、文字数が少ないのに、情景がすぐに思い浮かぶストレートな歌詞なんですよね。
例えば、石川ひとみさんの『まちぶせ』(作詞、作曲:荒井由実)って曲に、「夕暮れの街角 のぞいた喫茶店」って歌詞があって。もう、喫茶店の外から中の様子を覗いている女の子の姿が想像できるじゃないですか。その感じが、すごく好きなんです。
逆に、最近のJ-POPはほとんどわからないですね。小学生の時、AKB48は好きでしたけど。
――AKB48も好きだったんですね。
じゅの はい。たくさんCDを持っていましたし、コンサートにも行ったことがあります。特に、大島優子さんのパフォーマンスが大好きでした。
「特に好きなのは、聖子ちゃんと明菜ちゃんです」
――昭和のアイドルだと誰が好きなんですか?
じゅの 特に好きなのは、(松田)聖子ちゃんと(中森)明菜ちゃんですね。聖子ちゃんはお顔も声も衣装も可愛くて、私の憧れなんです。今の髪型も、聖子ちゃんっぽく外巻きにしているんですよ。
明菜ちゃんもすごく好きで、「若い頃からどうしてこんなに色気があるんだろう。どうしてこんなにかっこいいんだろう」と思いながら歌を聴いています。

