「歌声も、お芝居も、すべてが素敵!」「日本中から愛されている」憧れのベテラン女優とは
――今は歌と演技を軸に活動していると言ってましたよね。
じゅの 歌、バレエ、宝塚、ミュージカル……いろんなものに触れていく中で、私が本当に好きなのは、「お芝居があって、その中で歌ったり踊ったりすること」なんだって気づきました。
特に、『男はつらいよ』を観て育った私にとって、やっぱり映画は別格なんですよ。だから、映画でお芝居をするのが今の一番の目標ですね。作品の中で、歌ったり踊ったりできたら、最高です。
――憧れている女優さんはいますか?
じゅの やっぱり、『男はつらいよ』でさくらさんを演じていた倍賞千恵子さんです。歌声も、お芝居も、すべてが素敵で!
今年5月に、倍賞さんのトークショーを観に行ったんです。そこで、『男はつらいよ』の撮影当時の思い出もたくさん聞けました。
倍賞さんのお話を聞いて、何十年経っても、さくらという役が日本中から愛されている理由がわかりましたし、1つの役を演じ続けることのすごさを感じました。私も倍賞さんのような女優になりたいな、と思いました。
「友だちとは話が合わなかった(笑)」それでも“昭和レトロ好き”を隠さなかったワケ
――昭和レトロの話に戻しますが、じゅのさんが周りに「昭和好き」と言い始めたのはいつ頃からなのでしょうか?
じゅの 高校生ぐらいからですね。ちょうどその頃、昭和レトロブームがきたんです。私も友だちとレトロ喫茶に行ったり、クリームソーダの写真を撮ったりして、「かわいい」って盛り上がっていました。
――それまでは、昭和好きを隠していた?
じゅの 隠してはいなかったけど、あえて言わなかったというか。「私が好きなものはみんなと違うな」とは思っていたので。でも、みんな私が昭和レトロ好きだと気づいていたと思います。
――友だちと話が合わないな、と感じることは?
じゅの 話は合わなかったです(笑)。でも、それをネガティブに捉えてなかったですね。ジャニーズ、K-POP、バンド、アイドル、昭和……みんなそれぞれ好きなものは違ったけど、お互いに自分の好きなものを教え合って楽しんでいたんです。
例えば、私は昭和の良さについて語って、友だちからは少女時代の良さを教えてもらうみたいな。お互いを認め合いながら「異文化交流会」をしていました。
――普段お友だちと遊ぶ時は、どんな場所に行くのでしょうか。
じゅの 浅草とか柴又みたいな下町によく行きます。老舗のおいしいご飯屋さんも多いし、クリーニング屋さんや電器屋さんなど、昔ながらの看板がそのまま残っているところも多くて。
そんな場所を友だちと一緒に歩いていると、「あ、レトロ見つけた!」と教えてくれるんです。でも私から見ると「いや、それはレトロじゃない。ただ古いだけだ」と思うことも多くて。
だからか面白がって、「これはどう?」「じゅの的にはアリ?」と聞いてくるんです。そんな遊びをしていたら、ある友だちからは「レトロ判定員」ってあだ名で呼ばれるようになりました(笑)。
――遊びに行く時はレトロ服を着て?
じゅの そうです。今はレトロ服が3000着くらいあるので、その中からTPOに合わせて選んでいます。レトロファッションができない時は、ユニクロの服とかを着て令和スタイルにしてますね。
撮影=佐藤亘/文藝春秋
撮影協力=昭和レトロ喫茶セピア
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