「昭和レトロ女子」としてSNSで発信している、俳優の増田樹乃さん(23)。レトロ服を約3000着も所有し、レトロ服専用の衣装部屋を作るために自宅を改装。服の収集や自宅の修繕を含め、「昭和レトロ」に費やした金額は1000万円を超えるという。

 SNS総フォロワー数約10万人の人気を誇る彼女に、昭和レトロにハマったきっかけ、昭和歌謡や昭和のアイドルの魅力、芸能の道を志した理由などを聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)

増田樹乃さん ©佐藤亘/文藝春秋

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『男はつらいよ』を見て育った幼少期

――まずは、じゅのさんの現在の活動について教えていただけますか。

増田樹乃さん(以下、じゅの) 埼玉県ときがわ町にある「昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉」でアイドルとして、CDを出したり、イベントをしたりしています。

 他にも、テーマパークでシンガー兼MCをしたり、YouTubeで演技をしたり。最近は映画やドラマにも出演させていただいて、演技と歌を軸に活動しています。

――SNSなどで「昭和レトロ女子」として注目を集めていますが、2001年生まれのじゅのさんが「昭和レトロ」に惹かれたきっかけは何だったのでしょうか。

じゅの 家で『男はつらいよ』とかを見て育ったんです。『三丁目の夕日』の漫画や『サザエさん』の4コマ漫画も家にあって、そういうのを何気なく見て育ってきたんですよね。

 

――『男はつらいよ』を見始めたのは、いつ頃からですか?

じゅの 幼稚園の頃からです。

『男はつらいよ』を見て家族や人とのつながりの大切さを感じた

――えっ、幼稚園児が『男はつらいよ』を?

じゅの はい(笑)。主人公の寅さんは、自分のお兄ちゃんだったら困るなって思うんです。でも1人っ子の私は、寅さんの妹のさくらさんのように、優しいお姉ちゃんがいたらよかったなって思いながら見ていました。

――ちなみに当時、同世代の間では何が流行っていたのでしょう。

じゅの 『プリキュア』や『オシャレ魔女♥ラブandベリー』が人気でしたね。私ももちろん好きでしたが、結局一番好きなのは『男はつらいよ』でした。