今度こそ本格復帰と言っていいのだろう。2018年より数年にわたり公に姿を見せてこなかった歌手の中森明菜が、ここ1年あまり、再び表舞台に出てきて活動を展開している。

 直接の発端は、一昨年(2023年)11月に発売されたミュージシャンの林哲司のデビュー50周年記念トリビュートアルバム『A Tribute of Hayashi Tetsuji -Saudade-』のため、明菜がかつて林から提供された「北ウイング」(1984年)を新たにレコーディングしたことだった。

 これを機にYouTubeチャンネルを開設し、昨年4月からは自身のデビュー記念日である5月1日に向け、持ち歌のセルフカバー動画を毎週公開し始める。そして同年7月にはファンクラブ限定イベントを東京・丸の内のCOTTON CLUBで開き、約6年半ぶりに人々の前で歌った。以来、ライブやメディア出演も積極的にこなしている。

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中森明菜公式YouTubeより

初の野外フェス出演、芸人らとラジオや写真展も

 COTTON CLUBでのファンクラブイベントは昨年12月にも開催、今年に入ってからは4月に大分県での野外フェス「ジゴロック 2025~大分“地獄極楽”ROCK FESTIVAL」で小室哲哉がプロデュースするステージで歌い、歌手人生43年にして初の野外フェス出演となった。

 先月(6月)6日には兄弟漫才師・中川家のラジオ番組『中川家ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)に生出演し、翌週放送された収録によるトークともども終始明るい様子をうかがわせた。中川家の兄・剛は昨年7月のファンクラブイベントに参加しており、くだんのラジオ番組でそれについて語ったところ、翌週の生放送中、明菜本人から届いた御礼のメッセージを聞かされ、いきなり泣き出すほど感激していた。筆者はそんな剛の反応に、中森明菜という歌手の存在の大きさを改めて思い知ったのだった。

「中川家 ザ・ラジオショー」公式Xより

 やはりこの6月には、お笑いコンビ・かが屋の加賀翔が、昨年暮れのファンクラブイベントの模様を明菜直々の依頼により撮影した写真展を東京ドームシティで開催し、盛況だったという。さらに現在放送中のミニアニメ『あらいぐま カルカル団』(読売テレビ・BS日テレ)に声優としてゲスト出演、6月26日と7月31日放送分で、自身と同じ東京都清瀬市出身のVTuber「ボーカル」というアライグマのキャラクターを演じている。

『あらいぐま カルカル団』アニメ公式Xより

 昨年7月のファンクラブイベントは、明菜の誕生日である13日を挟んだ3日間行われた。それからちょうど1年、きょう彼女は60歳の誕生日を迎えた。