「全然ないです。もうやりたいことやってもらったら」

 こうしたパートナーの理解は、大きな心の支えになったに違いない。なお、いまでは6、5、3歳と3人の息子さんもいるため、夜は敏明さんのワンオペになる。昼休憩もなく11時から21時まで通しで営業しているのだから、なかなかのハードワークだ。

「でも昼に閉めちゃうと、夜にまた開けるときダレますからね、たぶん、閉めたらダメなタイプですわ」

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ビールとの相性抜群なメニューたち

 さて、お次は「玉子と肉の炒め」と「かしわの天ぷら」、そして「肉だんご甘酢かけ」が登場である。どれも熱くてパワーがあり、ビールとの相性も抜群だ。この味なら、飲みを目的にするお客さんも多いのではないだろうか。

玉子と肉の炒め

「このへんは西成が近いんでね、やっぱり昼から飲むおっちゃんがおったり。でも、客層はバランスとれてますね。仕事してはる人が休憩中に食べに来てくれたりもしますし。最近このへん、工事がめっちゃ多いんですよ。民泊、めちゃめちゃ造ってるんで、現場の人とか」

 星野リゾートも近く、民泊客も多いので、1日2、3組は外国人客が訪れるらしい。それでいて地元の常連客も少なくないが、みんな閉店時刻をわかってもいるため、いいタイミングで切り上げてくれるという。理想的な関係性だ。

肉だんご甘酢かけ

関西でお馴染みの玉子春巻き

 続いてお目見えした「玉子まきあげ」は、具材を春巻きの皮ではなく薄焼き玉子で巻いて揚げた、関西でお馴染みの玉子春巻きだ。具材にも味がついているので、そのまま食べても味わいがある(だから、またビールが進む)。

 ところで意外なことに、これだけ酒飲みの心をわしづかみにする料理をつくれるにもかかわらず、敏明さん自身はお酒を飲まないのだそうだ。

玉子まきあげ

「嫁さんは飲みます(笑)。けっこう珍しいっていわれますけどね。見た感じでは飲まなさそうやし、僕は飲みそうなんで(笑)」

 さて、いろいろ食べてしまったが、最後はやはりラーメンで締めよう。鶏でだしをとったスープはすっきりとしており、麺との相性も抜群。

 .チャーシューにめんま、もやし、ねぎという、余計なものが入っていないシンプルさもいい。だが、これで550円は安すぎる気もする。